第4話『詩とファンタジー』

食堂の椅子が脚を上げて嗤う

鉄塔が全力疾走する晩に

空はバラバラの珠になって

雨のようにいっせいに落ちて

ぱしゃんと跳ねた雫は

硝子の蜥蜴になって海へと這い出る


真白き少女の曲線は

さながらバームクーヘン


王様を継いだ複眼の羊歯植物が

絡めとる

一ミリの永遠


すべての色は自由になる

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