書きかけの機関車に客車と貨車を書き加え

霧島 月呼

決定的な軋轢ではないが、埋められない溝がそこにある。


目には見えぬが、確かにそこに在るのだと感じる。


未練なのか、ちっぽけな良心なのか、ただ単に面倒なだけなのか、


すべてを壊す言葉を知っているが、いまだ放つ事なく、胸の割と浅いところに留めている。


いつか衝動的にその言葉を吐き捨てる日が来るかも知れない。


覚悟がないだけなんだろう。


すべてを無に帰した後、自分の存在と折り合いをつけられないであろう自分を知っているから動けない。



言葉は凶器だ。



狂気を乗せた自分の言葉は凶器だ。


私の言葉は鋭利な刃物というよりは長い針を最深部に刺すような力があるそうだ。

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