第28話 おしるし?おしるし!

 色々あった妊娠生活も終盤。

 最初の子だけあって、色々赤ちゃんの物縫ってたり、作ったり、物を買って用意したりして日々を過ごしておりました。

 明日は予定日って日にもダカダカミシン。さて、集中しすぎたかな、腰が痛い、と出来上がったクッションカバーをしまったのですが、今から考えると、これが前兆だったような……。

 臨月で腹痛とか腰痛とか、出血があった場合、出産の前兆がキター!

 と、あわてるかと思いますよね。

 しかし、私、これ、前兆?って気が付かなかったんですね。

 お腹弱いから、しょっちゅう腹痛あるし、腹重くて腰痛いし。常にどっか痛い状態で、おしるし出たっぽい時もちょうど風呂入ってて、ちょっとオリモノ出た?って思った程度だったんで。

 体拭いたら、股拭いたタオルがちょっとピンクっぽくて、あれ?血っぽい?もしや、おしるし?

 でも腹痛くないし、ちょっと擦れただけなのかな?……って。

 しかし、その後1時間したら、ちょっとお腹がジワ~ンと痛いような、下腹部に胃もたれの様な不快感が……。


 まあ、腸が弱いんで、お腹壊したかな~とか、もしやおしるしかな?でも初産でおしるし来ても、すぐ生まれないとかいうし、陣痛もしっかり痛くならないと生まれないっていうし、初産は予定日より遅れるのも良くあるっていうし~、まだ慌てる時間じゃない、とか思いながら夕食へ。

 里帰りしてたんですが、その日はちょうど旦那が来てたんですね。

 明日帰る所で、風呂の時、もしかしたらおしるしっぽい物があったんだけど、あんまりお腹痛くないと話して、じゃあ帰っちゃうし、もしかして立ち合いは出来るかどうかわからない、むしろ出来ないんじゃないか?という会話してたんですよね。

 で、就寝。

 したんだけど、なんかお腹の痛みがジワ~ンと強くなってきて、2時間後位に目を覚ましまして、う~んうんと唸ってたんですよ。しかし、隣の夫はグースカ。あの時は蹴っ飛ばしたくなりました。腹痛くて出来なかったですけど。


(おおおおお!お前~~~~!こっちゃお前のせいで痛い思いしてんのに、人の気も知らんと!痛みで唸ってる奴の隣でのんきに寝やがって!くそお!)


 半分は自分の責任なんですが、痛いと理性が飛びますよ。脳内で悪態付きつつ我慢してたけど治まらないで、いよいよ痛くなってきて、膣にも、なんか液体がトプっと出た感覚。見なくてもこりゃ間違いない、本格なおしるしだろう、腹も痛くて耐えられない!陣痛だよ間違いない!となって、夫をちょっと乱暴目に揺すったり叩いたりして起こしました。両親も起こしてもらって入院セット持って、病院へGO!

 陣痛時に車の振動食らうと、痛みが増すし、吐き気がして気持ち悪くなりました。

 病院の場所が車で20分以上っていう、車酔いしやすい人は、普段より気持ち悪くなりますから気を付けて。ゲロ袋用意した方が良いかも。

 夜中1時頃、グロッキー状態で病院へ到着。

 上の口からも、下の口からも吐き気ですよ。出せば楽になるんですってば、わかってます。

 出させろ~。

 出してぇ~。

 けど出せねえ~。

 

 出したいときにすぐに出せたら、どんなに素敵なんでしょうかね。

 ちなみに生物学や粘菌研究で有名な南方熊楠氏(1941 没)は、ゲロを自在に吐ける方だったそうで、その特技で目つぶしして喧嘩では負け知らずだったそうです。凄いね!


 さて病院の受付を夫にしてもらったんですが、


「個室は特別室と2人部屋と一人部屋、あと、大部屋があるって、どれがいい?」


「う~…、う~…、(……今聞くか?頭回らんわ~い!どこでもいいわ!寝させろ!)」


 陣痛だけじゃなく、乗り物酔いで吐き気も有ってうんうん唸ってる相手に聞かんと、自分で考えて決めなさいよ!

 まあさぁ、お金のこともあるけどさ、希望を聞いてくれるのは良いんだけどさ、時と場合があるんだよ。


 陣痛が治まってダウンタイム、けど陣痛は無くなっても、車酔いは残ってる。頭はやっぱ働かないし、それぞれの部屋の詳しい説明も聞いてないし。よくわかんないから、とにかく個室がいいか。

「一人部屋」と答える。


「それでは、手続きをしますね。こちらの書類を~~~」


 なんでもいいから、最初に部屋に通してくれぇ~!

 部屋の準備で結局10分位ロビーにいたよ。グッタリ。



**********



 日本の出産は、基本的には自然に任せますんで、出産日はきっちり予想付きません。何日かずれて当たり前。

 欧米系は、病院のスケジュールに合わせて、この日に出産ね、とか病院スタッフが決定してお母さんに伝えるみたいっす。

 あっちは無痛分娩が主流らしいですから、そういうもんなんでしょうね。

予定が未定じゃなくて、痛みが少なくて、うらやましい~~~~。


 痛みが少ないってのは、やっぱ全く痛くないというわけじゃ無いっぽいからです。

 虫歯抜くのに、麻酔したってなんかメリメリ骨や肉が軋んでアゴに響いてじんわり痛いですよね、あんな感じで。無痛用の麻酔薬は点滴で、針は背骨にぶっといの射されるし。とはいえ、自然分娩と比べたら痛くないに等しいらしいです。

あぁ~、いいなあ~~~……。

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