第20話 家族とアクアリードのカフェで会議
ディーナとアナスタシアが席についたので、メイシアとアイリを紹介する。しかし、彼女達のことを説明すると二人の眼が殺気がまじってくる。
「あ、あのぉ……」
「こえー、です」
「二人共?」
「お兄ちゃん、どいて……そいつらを殺せない……」
「ふふふ、お兄様を取ろうとする泥棒猫なんて……」
「二人共、駄目だろ」
二人の頭を小突いてから、改めて話しをする。
「取られたりしないから、安心してよ」
「違います。私達はお兄様を愛しているのです」
「そうだよ! だから、ぽっとでの奴に奪われるなんて許さない!」
「わ、わたしとユーリはそういう関係では……」
「パパとママは結婚しているぞ、です」
「やっぱり!」
「ああ、もう!」
二人の説得するのに一時間もようしてしまった。最終的にメイシア達のことを認めないと喋らないし、追い出すといったら渋々納得してくれた。普通、こういうのは逆だと思うんだけどね。
「そもそも、お前らは妹なんだろ、です」
「いえ、親戚です」
「だから結婚もできるんだよ」
「なら、二人もパパと結婚すればいいぞ、です」
「なにいってんの!?」
「パパは竜族の王族である金竜だから、一夫多妻で問題もねえ、です」
「その方法があったね!」
「それなら問題ありませんね」
「いいんですか……」
メイシアが呆れているけれど、まったくもってその通りだよね。二人はそれでいいのだろうか? そもそもこれはゲームだからいいのかもしれない。
「妥協は必要です」
「そもそもお姉ちゃんと一緒に協定を作っているからね。お兄ちゃんを共有しようって」
「ボクはものじゃないんだけど……」
「私達はお兄様のものです」
「そうそう」
「アイもそうだ、です」
「わ、私は違いますよ!」
メイシアだけは否定してきた。まあ、そうだよね。しかし、これはおいおいでいいか。どうせゲームだし。
「ここをこうすればいいんだよね」
「できましたね」
「そして、パパとママのここを押せばいいのです」
いつの間にかボクのをアイリが押して、メイシアもそっと押していた。おそらく、二人のことが怖いのだろう。殺気がすごいし。
「まあ、共有されるのは便利だからいいや。それでこれからだけど、ボクとメイシアは森にいかなくちゃいけなくなった。二人もきてくれないかな?」
「あの蟷螂野郎にリベンジするの?」
「そうだよ」
「私は地下に用があります」
「でしたら丁度いいですね。私は千体ほど狩るように言われています。達成したら装備をもらえます」
「アナの方は人の血をいっぱい吸って、いっぱい血を集めろってクエストだよ!」
「アナは物騒だけど、これはいいだろう。じゃあ、皆で森を攻略しようか」
「「「はい」」」
その前に買い物だけどね。アイリの装備を整えないといけないし、ボクも嫌だけれど使い捨てのぬいぐるみをいっぱい用意しないと。ああ、それと倒せる可能性を思い付いた。人形達によるドラゴンブレスの多重発動による火力アップと休みなく連打することで倒せるかもしれない。
「アイリの買い物にいくけど、ついてくる?」
「いく~」
「じゃあ、みんなでいこう。それに色々と用意していかないと駄目だからね」
「そうですね。買う物が色々と必要です」
「アイちゃんの装備以外にも特に回復アイテムは必要ですよね」
「むしろ、アイの装備はいいデザインのがあったらボクが作るからいいよ」
「確かにお兄ちゃんなら作れそうだね」
「まかせていいよ。ちゃんといいのを用意するから」
「でしたら、私のも……」
「みんなのを用意しよう」
メイシア達の分も用意しよう。その間にアイには武器を用意して訓練してもらおう。それと素材もいっぱい買わないと。まあ、こっちに売ってるのはあまりないのだろうけれど。ほとんどの人は先に進んでいるし、追加が出てから人が増えるだろうしね。
女三人寄れば姦しいというけれど、買い物はすごく時間がかかる。ボクはさっさと決めたけれど色々と選んでいっている。だから、ボクは外で待ちながら衣装を縫う準備をする。
その後、アイリが選んだ武器は大鎌だった。それも両刀でダブルハーケンと呼ばれる奴だ。持ち手が別れて鎖鎌にもなるので使い勝手もいい。
服もスクール水着みたいなアンダーウェアと上からワンピースにしたようだ。これで動き回っても下着がみえることはない。一応、見本として購入した。
訓練所に戻ってから生産訓練所の方へと移動する。ここの訓練所は生産設備もあって、そちらも教えてくれる。ボクは人形の服も作っているので、本職といえる。そんなわけで、買ってきた服を分解して型紙を作っていく。
次に毛皮の端を畳んで糸で縫い付けることで綺麗な布を作る。その布に型紙を合わせて切り取って縫い合わせていく。使う糸などは全てボクの血とアイリの血、メイシアの血を混ぜてボクの骨を入れてひと煮立ちさせる。灰汁をとってからそこに糸や布を付けて作るととっても凄い装備ができる。
まあ、かなり強いといっても元の素材が弱いのそこまでいいのはできない。それでも初期から手に入るものとしては凄い性能になる。自分の死体を有効活用しているだけだしなんの問題も無い。技術の進歩に犠牲はつきものだしね。
ボクが制作している間は四人で連携の訓練や狩りにでてもらう。ショゴスとかも倒すと経験値が美味しいしね。
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