第3話/シャバドゥビタッチ変身とみせかけ変身しなーい

社畜くん「あー、変わりてぇ。今の現実から変わりてぇ……」


社畜くん「変身ッ!」


社畜くん「できたらいいなぁ……」


社畜くん「トランスフォーム!」


仕事ちゃん「……」


社畜くん「できるわけないよねー」


仕事ちゃん「変形してよ」


社畜くん「へ? いや、無理」


仕事ちゃん「変形してよぉ! トランスフォームしてよぉ!」


社畜くん「いやいや無理です。トランスしないフォームでした」


仕事ちゃん「トラックになって働いて! ガンガンガソリン飲んで働いて!」


社畜くん「やっぱりか! いやぁ! 働きたくないぃぃぃ!」


仕事ちゃん「ガソリンを飲めぇぇええ!!!」


 ――社畜くんを椅子に縛り付け、赤いプラスチックの容器を取り出す。


社畜くん「ポリタァァァァァァアァアアアアアンク!!!!??? ムリムリムリムリ無理だって!!!」


仕事ちゃん「じゃあ、君の為のガソリン」


 缶コーヒーが置かれる。


社畜くん「あ、どうも」


仕事ちゃん「午後も頑張ってね♡」チュ


 仕事ちゃんは社畜くんに軽くキスをして部屋を出て行った。


 そして椅子に縛り付ける縄はするりとほどけた。


社畜くん「……」


社畜くん「こんな日もあるんだな」


 社畜くんはコーヒーを飲む。


社畜くん「うん、甘い」


 缶コーヒーは無糖だった。


――――


同僚A「社畜の山積み缶コーヒー誰か片づけろよ。崩れそうだぞ」


同僚B「掃除のおばちゃんが来るまであと少しだから我慢しろ」


同僚A「ったく、仕事できるのはいいけどちゃんと片付けろよなー」


同僚B「それより毎日あんなブラック飲んでてよく胃に穴が開かないもんだ」


同僚A「穴が開いてるのは胃じゃなくて、脳の方かもしれないぞ」


同僚B「そりゃいい、社畜らしい危ない話だw」


 ――fin――

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