醜いアヒルの子は、白鳥になれるのか?

梨香

 プロローグ

 ルキアス王国の北部にあるゲチスバーグ村に、未だ若いシルフィードが産まれたばかりの赤ちゃんを抱いて現れた。

『シルフィード、お願いだ! マリエールをゲチスバーぐっ』

 隣国のイオニア王国の精霊使いに頼まれて、赤ちゃんをゲチスバーグに連れて来たものの、引き取り手の精霊使いはいない。

『困ったわ……』

 隣国まで運んでヘトヘトなシルフィードは、少しでも霊的な存在を感じる村の教会に泣き叫ぶ赤ちゃんをソッと置いた。

『元気でね!』

 絹のおくるみに包まれた赤ちゃんの胸にはイオニア王国の精霊使いの証であるプラチナのネックレスが輝いていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る