第5話 陰謀の茶会
「
「噂は聞いておる。なんでも源氏の血筋を引く
「左様でございます。
「左様か、そうか、雅なのう……
「
「よしなに……くれぐれも、よしなに」
「はっ、承知」
ゾクッ
義経が寒気を感じたころ、三郎は
手先の器用な男で、三郎作、義経の
商才に恵まれたのか、得意の話術で木彫りの人形に黒い塗装をしたベン・ケー魔除けの量産化にも成功。
こちらも、大人気商品である。
いずれも芝居小屋で販売している。
ちなみに義経も塗装の内職中であった。
「さて、そろそろ準備だ」
三郎が立ち上がる。
「いくぞ、
「おう!京の女子も余のファンになるのぉ」
追われたことなど遠い昔、今や源の名を商売道具に生来のルックスに溺れた三流役者である。
京に行ったら捕まるっての!
HAHAHAHAHAHA!
「ベン・ケー!油を塗っとけよ、黒光りするようにな」
「OK! OK! ヌルヌル ヌルヨ」
英語と日本語が微妙に混ざる文明開化の三人であった。
そして茶会が始まった。
三郎の口上で幕が上がる。
この日のために、三郎が書き下ろした新作である。
平家が呪術で呼び出した、黒い大鬼を源氏の忘れ形見、義経が討ち取る、平安ふぁんたじ~である。
ベン・ケーの迫力と義経のアクションは大喝采で幕を下ろした。
手応えバッチリである。
「まこと、感服いたした」
「今宵は、この館に泊まるがよい、離れを用意しよう」
「ありがたき幸せ」
そして、どんちゃん騒ぎである。
酒、女、御馳走、最高の夜。
このパターンは……前回の苦い経験を思い出せない御一行。
「ときに、義経殿、なんでも兄上にあたる、
接待にあたっていた侍、兄弟で名を『
「ん?平家討伐……知らぬが……そうか兄上が……」
「義経殿も、やはり参陣されるのか?」
耳が痛い……。
「
「そうか……だが!今宵は忘れよう!飲んで忘れよう!三郎!ベン・ケー!愉しんでおるか!」
そして……
「義経さま~」
「なんじゃ、
「や~だ~、
「静ちゃんか~」
「パフパフ好き~義経ちゃん」
「好きじゃ~、静ちゃんも、パフパフも大好きじゃ~」
「じゃあ~、あっちに行こう~、ねっ♪人払いした部屋があるのよ」
「そう、
「
「
「ん?」
連れてこられた、
迫る
「待っておったぞ、義経♪、
「No~!No~!」
義経、貞操の危機であった。
HAHAHAHHAHA!
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