せんたク。

 いつものバス停にて――


「冬コミも中止に……これで二〇二〇年には一つの開催もなくなるコミケロス状態に」

 月夜がそんな記事を読んでいた。


「ん~……来年は来年で延期された東京五輪あるし、しばらく開催はないのかしらね? でもやったらやったで三十万人以上くるし、全員宇宙服でもきこまないと絶対防げないしど~なるのかしら?」


「クラドファンディングで最新の感染症対策を施したコミケ専用施設とかたたないかしら? そこで毎月やてばいいのに」

 月夜がそんな事を言っている隣では、


「ん〜……」

 スマホの自撮り機能を鏡のように使ってなにやら悩むイブキ。


「む〜……」

 そう唸りながら、スマホでブラウザを起動する。


「ね〜ね〜」


「ん〜?」


「このジキのカミがうねるのをなおしたいんだけどぉ〜」

 検索欄には『うねり 治す クセ毛』などが入力されていた。


「ス〜パ〜サ○ヤじんにめざめんのとストパ〜かけるのどっちがいいとおもう?」


「……」

 月夜はしばらく思案した後、


「ストレ〜トパ〜マじゃない? アンタ、サイ○人じゃないし」


「じゃ、シュクモ〜キョ〜セ〜とストパ〜ど〜ちがうの?」


「さぁ〜? どう違うのかしら? なんか縮毛矯正のが凄そうだケド……」

 投げ槍に答える月夜。


「もっとシンケンにき〜てよ! イブキさんがス〜パ〜○イヤじんになるかのセトギワだよっ‼︎」


「そ〜ゆ〜瀬戸際だったのっ⁉︎」

 むしろそっちを見てみたいと思う月夜だった。

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