むしさされ。
いつものバス停にて――
「う~ん……かゆいかゆい……」
イブキが頬や腕、脹脛を『ペチン、ペチン』と手の平で叩きながら、
「もう~! なんでイブキさんばっかし、エイ!『ペチン!』 さされんのかぁ~? 月夜のほ~がおいしそ~なのにっ!!『ペチン』」
「さり気にウチへと擦り付けようとしないでよっ!」
月夜は『しっしっ』と手でイブキの事を追い払う仕草をしながら、
「だって~イブキさんばっかしさされてフコ~ヘ~じゃん。かくとアトになっちゃうからかけないし……」
「刺された箇所にセロハンテ~プを貼るとかゆくなくなるらしいよ」
そう言いながら、カバンからテ~プを取り出して渡す月夜。
「ホント?」
イブキはテ~プを受け取ると、赤くなってる部分に貼りつける。
「う~ん……きのせ~かもしんないけど、かゆくないきがする」
首を傾げながら、そういうイブキ。
「なんか空気に振れなくなるから痒みがなくなるんだってさ、あと掻こうとしてもかけないしね」
「へェ~……そなんだ」
「ただ――」
「ただ?」
「なんかバカっぽく見えちゃうのが難点よね~」
「そんなふ~にみえちゃうんだっ!」
慌てて剥がすイブキだった。
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