けしたいかこ。

 いつものバス停にて――


「おぉ! マックからクリ〜ムソ〜ダがレギュラ〜メニュ〜にっ!」

イブキが 瞳を輝かせながら、そんな記事を読んでいる。


「これからのキセツ、はじけるタンサンとあまい、あまいソフトクリ〜ムがイッソ〜おいしくかんじるジキだからな〜」

そんな事を洩らす、イブキの隣では、


「ドイツの研究機関でツラい記憶を消去できる可能性がっ⁉︎ う〜ん……ここまでくると、完全にSFの世界だわ」

テクノロジ〜系ニュ〜スの中にあった、そんな記事を読みつつ、そんな呟きを洩らす月夜。


「マウスを使った実験で『遺伝子スイッチ』をつかったトコロ、それまでできていた事ができなくなったかぁ〜」


「ジユ〜にキオクをけしたりできたらベンリだね」

クリ〜ムソ〜ダの画像が映ったスマホ片手に口を挟んでくるイブキ。


「アンタに消したい記憶とかあんの?」


「えっ! う〜んっと……う〜んっと……」

イブキはしばらく思案顔をした後、


「…………ない」


「ウチもない」

未だ苦労知らずの二人だった。

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