しょっく。

 いつものバス停にて――


「モスが通常の1、5倍のパティをもつハンバーガーを販売っ⁉︎」

月夜が愛用のグルメ系情報アプリの中にあった、そんな記事を読んでいる――隣にはイブキの姿はない。


「いいね〜いいよっ! 量は正義だよっ! もっと増量できる様に――」

そんな事を言いながら先を読み進める。


「ごめん〜ネボ〜した」

と、イブキが小走りにやってくる。


「やっぱしアンタにはスヌーズ機能はダメよね〜」

呆れ顔でそういう月夜に、


「いやいや――ジュップンおきにおこされるのもなかなかクツ〜なんだよ」


「そう思うなら1回で起きなさいよ」

イブキの返答に再び飽きて顔で返す月夜。


「これはゲ〜ムのディリ〜こ〜しんジカンとかならおきれんだけどね〜。ガッコ〜じゃど〜もモチベーションが……」


「やっぱしアンタにはスヌーズよりもこっちかな?」

そう言いながら、月夜が見せるスマホ画面には腕時計タイプの目覚ましで、音と振動で起きない場合は電気ショックまでやるという過激なアイテムが映っていた。


「やっぱし……月夜ってSだよね〜」

と、返すのが精一杯のイブキだった。

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