サイコロステ~キとシュ~ド~イン。

 いつものバス停にて――


「えぇ⁉︎」

スマホを見ていた月夜が突然、声をあげる。


「うわぁ! なに? ど〜した??」

隣でなにかの記事を読みふけっていたイブキが飛び上がって驚く。


「サイコロステ〜キって……」

驚愕といった表情のまま呟く月夜。


「サイコロステ〜キ?」


「あれって一枚肉をカットした物じゃないんだ……」


「そなの?」

イブキも初耳らしくそう問い返す。


「そ〜みたい。なんか……うん……もちろん高級な一枚肉からカッティングした品もあるんだケド……ほとんどが色々な部位の肉と卵や大豆なんかと組み合わせた成形肉なんだって」


「あ〜そ〜いわれてみれば、サイコロステ~キってぜ~んぶコロコロでリッパにたってるよね? ジンコ~てきにつくってるから、あんなぜんぶおんなじカタチになってんだね」


「そ~みたいね。はぁ……」


「おいし~のはかわんないんだからニクひゃくぱ~せんとじゃなくってもイイじゃない」

 ショックを受け落ち込む月夜にそう言い聞かせるイブキ。


「あ~あ……みためはあんなにおいしそ~なのに……」


「みかけによわないってのはなんにでもあるコトなんだよ。ほら――」

 そういって切り立った絶壁の上に建てられた修道院の画像を見せる。


「どこなのココ?」


「せかいイサンのメテオラってトコなんだって」


「ふ~ん……それが一体、サイコロステ~キとど~ゆ~関係が?」


「このシュ~ド~インね。かんこ~きゃくもきりたったカイダンをエッチラ、ホッチラのぼっていかないとイケないんだよ」


「へぇ~。じゃ、そこに住んでる人はそんなトコを行き来してんのか~?」


「それがね。シュ~ド~インのかんけ~しゃはせんよ~のロ~プウェイでいったりきたりしてんだって、こんなリッパなシュ~ド~インなのにカンケ~シャだけラクしてのぼってんんだよっ!」


「あぁ……それで見た目と違うって」


「そそ」


「……ぜんぜんウマくないよ」

 そう呟く月夜だった。

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