イノシシ。

 いつものバス停にて――


「ロシアでクマさんよりおっきな500キロごえのイノシシがホカクされるかぁ~……わぁ! ドスファンゴまんまだ!!」


「どれどれ――」

 イブキが見ていたスマホの前に『にゅ』と顔を差し込んでくる月夜。


「あら! ホント!! おいしそ~――じゅるり」

 月夜は画像に写っている、軽自動車ぐらいあはあるイノシシを見ながらそう評す。


「月夜……なんかモンハンやってないのに、ハンタ~なみのカンソ~」

 イブキが月夜の洩らした感想にたいして言う。


「ふふん。イノシシおいし~のよ」


「ヘェ~……ジョ~ズにやいちゃうの?」


「この季節は鍋かな? ボタン鍋よ、牡丹」


「月夜だったら、このイノシシイット~まるごとたべれそ~なきがするね」


「いいねぇ~。食べ応えありそう――じゅるり」

 月夜は500キロのイノシシ画像を見ながら、


「……えっ! ジョ~ダンだったんだけど……」

 と、いうイブキの呟きも耳に入らなかった。

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