あぷり。

 いつものバス停にて――


「マンゴ~フラペチ~ノかぁ~……ごくっ!」

 月夜が朝からグルメ板を見ながら、そんな呟きを洩らす。


「んんぅ!? シェンム~Ⅲ、しえんボシュ~からハチジカンでもくひょ~タッセ~かぁ……くぅ! やっぱし、みんなまってたんだねぇ~!!」

 それぞれ自分の興味のある情報ばかりに目を通しながら、


「そっだ! ねぇ月夜」


「ん?」

 イブキが唐突に話をふってくる。


「きの~さおもしろいアプリみつけたんだ」

 そう言いながら自身の持つ大型のスマホを左右にピコピコ振る。


「へぇ~。どんなやつ? どんなやつ?」


「んふぅ~、しりたい?」


「なに? いやに勿体つけるわね……」

 イブキがホ~ム画面をタッチしてアプリを立ち上げる仕草をしながら、


「そっだ! 月夜ちょっとバンザ~イしてみて」

 イブキがスマホを操作しながら、


「バンザ~イ? 両手を上げろって事」


「そそ」


「んふふふふふふ――」

 イブキがスマホを月夜の腋の辺りに振り、


「スマホってジキコンパスがはいってるでしょ? それをつかってキンゾクタンチキにするアプリがあるんだ――おっ! ハンノ~あり!! 月夜のきょ~のブラはワイヤ~――」

 月夜は上げた腕から肘打ちをくりだす!


 その肘は見事にイブキの頭頂に炸裂し、言葉を遮った。

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