7月30日

いつものバス停にて――


「う〜ん……」

いつになく険しい表情でスマホを操作するイブキ。

「どうしたの?」

「月夜……」

イブキ切なそうにタメ息をはいたあとに――

「しってる? 7月30日は好きな人に女の子からコクハクする日なんだって……はぁ……」

アンニュイな表情でそう語るイブキに、

「そ、そっか……そっか、そっか。イブキも今をトキメク女子高生だもんね。好きな人の一人ぐらいいても不思議じゃないよね。恋愛相談はウチにできそうもないけど、がんばってネ!」

「ほえ? なにをがんばないといけないの? イブキさん」

「え! だから7月30日――まあ、今日だけど誰かに告白すんじゃないの?」

「ううんしないよ」

「え⁉︎ 告白後を想像して不安だからそんなテンションになってんじゃないの? じゃ、なんでそんなテンション低いの?」

「ん? それはこの記事のせ〜」

『男性は女子がパットなどで胸を盛ってる事に気づいている!』

「……かえ……」

「えっ!」

「少しでも気をつかったウチの気遣いを返せーーーーーーーーーーーーーー!!!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る