価値。

 いつものバス停にて――ではなく。今日は少し時間に余裕があったので近くのコンビニに寄った二人。


「缶コーヒー123円ってわかりやすいやら中途半端だわ――」

「なに? アンタ缶コ~ヒ~なんって飲むの?」

「ううん。値札の123円に惹かれて手にとっただけだよ」

「一応商品なんだから買う気もないのに手に取るのやめなさい」

「は~い」

 イブキは素直に応じると、愛飲している野菜パックを手に取る。

「う~みゅ……」

「今度はどうした?」

「来年またぞ~ぜいされたらコイツらもあがちゃうな~っておもって」

「そりゃ野菜ジュース免税する理由ないからね」

「ホント~に国民のコト考えんならエイヨウ~のあるモノはメンゼ~すればいいとおもう。そうすればイリョ~費とかも――」

「その理論だとカロリ~メイトやサプリメント系が安くなりそうで味気ない食事になりそうだから問題あるっしょ」

「う~ん……そっか……」

「あ! イブキ制服に値札ついてる」

 商品についてるモノが剝がれ偶然に付いた値札を月夜が見つける。

「ホトンだ」

 服から剥がした値札をしばらく見つめたイブキはなにをおもったか――

「見てみて~イブキさん380円」

 自分の胸に値札を貼ると月夜に向かってそう言い放つ。

「イブキ……」

 月夜はポンっとイブキの肩に手を置くと――































「存在しないモノ(胸)に値札を貼るのは詐欺だぞ」

「ぎゃふん」

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