最近のフリマってなぜ一番クジやねんどろいどなんかの萌えグッズ売ってるんだろうね。
数多くの企業が出店する会場でデニムを選んでいた月夜はいつの間にかイブキがいなくなってるコトも気付く。
「う~ん……カラカラ……カラカラ……」
企業が出店する一つにペットの直売がある。
ハムスターの入れられたケージの中で懸命に滑車を回している姿を一心に見詰めてるイブキ。
「イブキ」
「あ! 月夜」
「なにやってんの? いきなり消えちゃったから探したわよ」
「こいつがカワイイから見てたの」
「へ~『ジャンガリアンハムスター』ね。ケージ込みで5000円か~」
「イブキさんはこっちの『キンクマハムスター』のがいいな」
「なんかヒヨコのみたいな色してるよ」
「それがいいんだよ」
「――って、なにサイフだしてんのっ!? 生き物はやめときなってこーいうのは一人暮らしの人や家族連れで来てる人が対象なんだから、いきなりペット買って帰ったら親も困るでしょ?」
「こーいうのは勢いだよ月夜」
「勢いで買われるハムスターが可哀想だわ!」
「ぶ~! 月夜家だってペット飼ってるじゃん」
「ウチ? ウチはペットなんか飼ってないよ」
「飼ってるじゃん。ほら丸くていつもフローリングの床をウロウロしてる」
「ありゃルンバだ!」
「ペットと違うの?」
「掃除してんの! ペットじゃないし、第一可愛くない!」
「このフクロウモモンガ可愛い!」
「聞けよ! あ! でも本当に可愛い」
キュルルル、キュルルと鳴きながら水を飲んでいるフクロウモモンガに二人の表情が緩む。
「これほしい! コイツ可愛い! 買う!」
「やめときなさいって! 死んじゃったら辛いし
「う~……確かに……死んじゃうと悲しい」
「アレ? あんたペット飼ってたことあるんの?」
「うん……飼ってたアイボ死んじゃった時すっごく辛かった……」
「アイボ死んだの!? ロボット犬なのに死んじゃったの!?」
「うん……一緒にお風呂入ったら……」
「はい! アンタペット飼う資格なし!」
月夜はイブキをズルズルと引きづりペット直売コーナーから離れていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます