二人の会話

第2話

スターバックスのコーヒーは美味いかどうか知ってるか？

唐突にどうしたんです？

スタバですか？

行ったことないですよ先輩。

大体、近場に無いじゃないですか。

そうか。

スタバで写真を撮ってSNSで投稿するのが所謂高校大学生のリア充ってやつじゃあ無いか。

そうですね。

所謂リア充という言い方に悪意を感じますし、その定義をはっきりさせろとも思いますがね。

まあまあ。

リアルが充実している(と思ってるイケテルかんじの、あくまでかんじの)人を略しているだけじゃあないか。

()内が聞こえなくて良かったですよ。

何が聞こえたんだい？

笑顔が黒いっすよ…。

はぁ。

まぁ、仕切り直しましょうか。

「リア充とは、リアルが充実している人」としましょう。

リアルってなんぞ？

りあるとは…

英語のrealの発音を日本語に置き換えたもので、

現実という意味です。

ほう、なるほど。

リア充＝現実が充実している人という事だね。

現実って言われてもピンと来ませんね。

じゃあ、現実の対義語って何だろう？

んー？

非現実？理想？空想？

あぁ、仮想なんてのも有りますね。

非現実ってのは単なる現実の否定だから単純すぎるし置いておこうか。

となると、理想、空想、仮想が残ったわけだ。

その三つが充実して居る人って何でしょう？

ズバリ、オタクだね。

その根拠は、如何に？

理想っつーのが、アニメや漫画あとはゲームとかもあるかもしれない。こういうのを指す。

んで、空想がそれらをみて想像力働かせると、仮想がそれに自分を入れる。

自分を入れる？

あー、コスプレとか夢小説とかだな。同人誌でも自分の特色入ったりするだろ。

理想に自分とか現実を織り込んで夢を見る。

決め付けが過ぎますね。

そうか？そうだな。

でも、分かり易くなっただろ？

強引ですが、そうですね。

これが対義語だから、リア充はオタクではない人？

必ずしもそうでは無いけれど近い物はあるだろ。

ふむ、となると、オタクの中には少ない、珍しい人とオタクではない人の中の過半数を占める人がリア充の枠に入るという事ですね。

そんなの、誰も調べてないですよね？

そうだな。データなんて取ってないはずだ。

世間から見て少ないと思われてそうな人。

前に工業高校は、男女比率がおかしくてオタクが多いって友達に聞きましたよ。

それだっ！

男女比率がおかしい＝カップルがいい感じに成立しない。＝オタク！

これまた、強引な…

先輩はリア充＝カップルと言いたいわけですか？

俺が言いたいんじゃない、世間が言ってるんだ！

そういうことにしておきましょうか。

それではリア充とはカップルであるという事ですね。

世間的にはな！

そうですか。

聞きたいのですが、好みに合うところに人は集まるんですよね？

そうだろうな、全然合わないところにいても楽しくないし周りに迷惑が掛かりうる。

それなら、スタバに居るのはカップルが多いのでしょうか？

そうとも限らなくないか？

それでは、広義でリア充＝カップルまたは恋をしている人 としましょうか。

好きな所で、好きな人と飲むコーヒーはうまいだろうなぁ。

ところで、先輩ここには私とあなたの２人だけで、そうこうしているうちにコーヒーを淹れ終わったのですが…――――