「ぬ」

盗人もな

スキのある家を狙うんや

なんでも

キャッチできる人間に

ならしてもらおうよな


++++++++++


「え?どういうこと?意味わからんねんけど…」

と、言ったのを覚えています。


ドロボーが空き巣に入ることが、何故キャッチできることにつながるのか理解できませんでした。


おばちゃんは、クスッと笑って言いました。


「恵、アンタちょっと盗人さんの気持ちになってみ。」


「は?」


「えぇから、なってみ。」


「あ…はい。」


「では、問題です。あなたは、もう三日ほどロクなものを食べていません。今日こそをしなくては、ほんとうに死んでしまうかもしれません。

空き巣に入る家を選ばなくてはなりません。失敗は許されません…。

さて、どんな家を狙いますか?」


「留守の家…とか、鍵のかかってない家…とか?」


「そうや、でもそんなん外からでは、わからんやろ?」


「うん。」


「失敗は許されません。盗人さんの神経は研ぎ澄まされています。ココや!という家に狙いをつけます…。プロフェッショナルのアンテナが冴え渡ります…。

イメージしてみ。この時の、盗人さんのアンテナ…モードで感度抜群や!」


「それはそうやろうけど…」


「盗人さんは、ひと仕事を無事終えて、晩ご飯にありつけました。

…ま、そういうこっちゃ!」


「えぇ~どぉゆーことなん??????」


「あはははははは~~~~」


「例えが悪かったかな?でも、この例えは、忘れへんやろ?要するに、キャッチ出来るようにアンテナ(五感)を磨くにはどうしたらいいか?ってことやな。」


「お腹、空かすん?」


「あほか、アンタは!」


(笑)




た、確かに…

昨日の事のように覚えています。


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