第2問 腑に落ちる話(7点)

宇宙と聴くと、何を想像する?

煌びやかな星々。未知の世界。危険と隣合わせ。宇宙人。

でも実際は違う。

どれも同じような点々。宇宙船の中の狭い空間。ほぼすることが無く退屈に流れる時間。宇宙人なんて話題は出ない。

つまり、思ってるほど楽しいものじゃないってこと。



あ、宇宙マニアにとっては、夢のような場所だよ。私みたいに。

宇宙にいるだけで幸せ!!ヤバい私スゴイ!神じゃね!?みたいな思考が出来る人くらいしか楽しくないけど。私みたいに。


「おーい。じえ。こっち来てくれー。」

あれはうちのキャプテンの声。じえってのは私の名前。苗字は葉山はやまっていうの。研究員として宇宙船に乗ってます。

「今日の晩ご飯、何がいい?カレーとかあるけど。」

平和な船内では、相談といってもこの程度だ。

「うーん。じゃ、カレーで。」

「了解!!」

カタカタと船長がキーボードを操作する。健康管理の為に、食事内容を地球に送信しているのです。


『OK/KTGRMKT』

地球から、食べても良しの返信が来た。キャプテンの名前、片桐かたぎり まことの子音がスラッシュの後に続いて表示される。誰に向けてのメッセージなのか分かるようにする為だ。

「よし、いっただーきまーす。」

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