第10話 ハッピーエンドの後の話
違うんだ。
確かに君は美しい。
鏡が言う位だし、現に、僕だって君の美しさに魅せられて妃に迎えたんだ。
幸せ? ……ああ、そう思ってもらえると僕も嬉しい。え? 僕? ……幸せだよ、君を手に入れることができて。
けれど、違うんだ。違ったんだよ。
君は僕の趣味を『お人形遊び』と表現して、受け入れてくれたね?
いくら女とはいえ、死体に僕をとられる心配なんてないと、そんなことも言っていたね?
どう言えば君に伝わるんだろう?
違うんだよ、白雪姫。
君は確かに美しい。
でも、僕が愛した白雪姫は、僕が魅せられた白雪姫は、今の君ではないんだ。
僕が心の底から手に入れたいと願ったのは、白雪姫、君の死体だ。
死体の君は、生きている今の君なんかよりも、ずっとずっと美しい。
なあ、白雪姫。
頼むよ、お願いだから、僕のために――。
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