幕間 静寂
それから数週間が過ぎたけれど、僕とアリスの関係は変わらなかった。
アリスは僕を完全に空気扱い。たまにすうっと、こちらをその濃い蒼色の瞳で見つめてくるけれど、そこには何の感情も込められていなかった。
こちらも日に何度もアクションを起こしては見た――
アリスの視界に無理矢理入ってみたり(さっき言ったような目で見られた)、話しかけてみたり(さっと席を離れていった)、唐突に隣の席で立ちあがってみたり(完全に無視された、恥ずかしかった)。
しかし、アリスは何か特殊訓練でも受けているのかと言いたくなるほどに、僕の対処に対して完璧だった。
無表情を貫き通していた。
――そして、アイン・ロウの花が刈り取られ始めたころ。
レイン・ラウの歴史に残るであろう、《愚か者の反逆》は、起きたのだった。
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