第13話 Happiness 幸福というもの 加筆修正有2021.2.26/12.26
13.
" Of Course 喜んで "
笠原くんとの別れを11月頃に入った頃には予感していたとは
いえ、はっきりとお別れしたのはほんの数日前なのに。
もう慎一さんとの未来を勝手にいいように考えてしまうなんて
ほんと自分でじぶんにあきれるし、開いた口が塞がらないとは、この事だ。
けれどこの心震える感触は拭ってもぬぐっても無くならない。
自分でも首を傾げたくなるくらい。
こんな事に捉われていた私は、気が付くとすっかり笠原くんのことを
思って心を痛めたりすることもなく、日々を過ごしていることに気付いた。
設樂課長は私のLuckyかもしれない。
上手く言えないけれど。
その週の終わりにLucky課長からまたもやのお誘いが。
私は後で同じ課の峰岸麻由美ちゃんから、もしかして黒崎さん
課長と不倫なんかしてたりして・・なんてことないですよね?などと
言われる始末。
「峰岸さん、や・め・て!私がそんな人間に見える?」
「見えるも、見えないも関係ありませんよ」
「きーーっ!!! 不倫なんて後100万年長生きしても私には無理。
不倫する位なら嘱託で勤めてる男寡のおじさま方の中から選んで
奥さんにしてもらうわよっ」
「ぶはははっ・・・。黒崎さんらしい回答に安心しました」
麻由美ちゃんに、ぶはははって笑われてしまった。
13-2.
「最近よく設樂課長から話しかけられてて羨ましい~ぃので
少し煽って困らせちゃいましたぁ~。
課長って素敵ですよね。
高学歴で高身長、性格も良くて男らしくて頼りがいもあって、モテるのに
独身の女子には目もくれず、仕事熱心でと思ってたら、どーやら黒崎さんに
だけはここに来て急接近してる模様。
私も設樂課長に少しでも振り向いてもらいたくていろいろ
アタックしてるんですけど、門前払いばっかです、クスン。
課長みたいな男性(ひと)が旦那さんだったらって・・何で
私、課長が独身だった頃に出会わなかったんだろう」
「ちょっと、峰岸さん本気入ってるわよ。
それ、怖いよ。
もう設樂課長は人(奥さん)のものなんだから、その気持ちは
育てては駄目なのよ。
摘・む・の!チョキンって!」
「課長に憧れてる女子は他にも結構いるんですよ。
でも課長は誰の手にも落ちないんです。
黒崎さん、ほんとに設樂課長とは何でもないんですよネ?」
「止めて、本気入った質問はコワイでぇ~す!!」
設樂課長がそんなに女子から人気があったなんて私は知らなかった。
・・・・・
先程の課長からの話は、週末に奥さんと出掛ける為、慎一さんに
子供達を預けることにしたのだが、一人では大変だし子供達も私に
会いたがっているので4人で猫カフェに行ってLunchでもして、すまない
けど慎一さんと一緒に子供たちの子守を頼む、というお願いだった。
" 喜んで、と心の中で呟いてみた。"
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