第二十四話 卑怯作戦発動
俺は自分が降りてきた竪穴に取って返すと、この空間に溢れるように存在する餓鬼を力任せに捕食している腐餓鬼や餓鬼王たちと、捕食者である腐餓鬼や餓鬼王たちに、敵わないと分かっていながらも、無尽蔵に下層から湧き出してくる数に訴えかけて、自分たちの捕食者たちに果敢にも挑んでいく餓鬼たちを見据えると、餓鬼王たちを中心にして、静かにスキル『炎の渦』を発動させる。
俺に発動された『炎の渦』は、餓鬼王を中心にそれに群がるようにして、餓鬼王の体に噛みついたり、しがみついたりしていた餓鬼たちを巻き込んで、その体に引火させる。
餓鬼の体に引火した『炎の渦』は、徐々にその勢いを高めていき巨大な炎の渦を生み出した。
俺は間髪入れずに残りの餓鬼王たちに向かって、さっきと同じように、『炎の渦』を展開させる。
もちろん、先ほどの餓鬼王と同じように、餓鬼たちに群がられていた餓鬼王たちは、『炎の渦』に引火された餓鬼たちによって勢いを増した『炎の渦』に、その巨大な体を飲み込まれた。
そうして、この体育館ほどの大きさのホールに、餓鬼王を中心として、巨大な炎の渦が、四つ作られた。
そこへダメ押しとばかりに息を思いっきり吸い込んだ俺の特大『火炎放射』が、空間を蹂躙するようにして、残った腐餓鬼や餓鬼たちを飲み込んだのだった。
もちろんこれしきのことで、腐餓鬼や餓鬼ならともかく餓鬼王を殺せるとは俺は思っていなかった。
そのため俺は餓鬼や腐餓鬼や餓鬼王で溢れかえる体育館ほどの大きさのボス部屋から、一つ上の階層に空いている竪穴を登りながら、竪穴の縦横斜めを縦横無尽に『炎の爪』で切り裂いて登っていった。
そのせいで、下層と上層をつなぐ竪穴は、俺の『炎の爪』高熱に耐えられずに、土壁や岩壁が、崩れ始めた。
そうして、上層へ移動した俺は、ダメ押しとばかりに、下層と上層をつなぐ竪穴をふさぐ崩れた土砂に向かって高温の『火炎放射』を吐き出して、陶磁器を焼くように焼き固めたのだった。
この方法は、もし下層に降りるタイプのダンジョンだった場合、下層に魔物が溢れかえることもあるだろうと思って、餓鬼洞に入った時に陶磁器を作る時に使うような茶色の土壁や天井なんかを見て俺が念のためにと、考えていた方法だった。
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