今も昔も少数派。

 私は平均的成績を収める子どもだった。成績優秀者に憧れ、運動が出来る人に憧れ、芸術的感性に溢れた人に憧れた。私は全てを持っていなかった。

 後に私は平均である事はまた一つの美徳である。という結論を見出す。真理であり、苦肉の策だ。

 今振り返れば良く本を読む子どもだったので、明らかに特異である。成績に反映されなかったと言う点で惜しい。通信簿に影響がある特異であれば、こんなに捻くれた人物にならなかったと考えられる。

 学生時代に本、映画、音楽を趣味として上げる人が多い。それ故、特異では無い様に見える。「無趣味だからとりあえず言っているのかな。」という雰囲気を周りは出す。

 そんな事はない。多岐に渡るジャンルがあり、歴史がある。話を聞けば深さに驚愕し、広さに感嘆するだろう。ただ「全てが好きだ。」と浅はかな答えをする人はとりあえず言っているか、辟易した結果だと思われる。

 今や読書を趣味とする人はマイナーとなった。かつて求めた立ち位置なのに風景は変わらない。あの頃もマイナーだったという事の証明だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る