あと何度椅子を直せば

 金曜日。16時まで大谷地でバイト。終わって帰ろうとしたら連絡が来ている。


 2台のドモホルンリンクル絞り機があるが、そのうち一台の椅子はしょっちゅう壊れていて、時々ここでも日記を書いてる。椅子が壊れるてなんやねんと言うと、椅子の座面が上下する機構を備えてるのだが、これを水圧で上げるんで、水を送るチューブが破れたりとかなんかそんな。で、タンクに水を溜め直す(これは修理というよりはメンテナンス)とか、チューブ割れたのをパテで埋めるとか、替えのチューブに替えるとか、替えるチューブがなければしゃあなしゴムで巻いて針金で留めるとか。そんなことをやってどうにかしてた。


 で、もう一台はというと、普段は椅子使わない「絞り方」をするので、あんまメンテ不要だったのだが、それがこの度壊れた。それもなんか、似たような絞り機なんだけど椅子の構造は微妙に違うんだよな。


 しかし悲しいかな、長年椅子の故障に対応していると、「どこがどう壊れてるか」くらいは理解ができてしまうので、呼び付けられて行ってチェックした。水を送り込むピストン部分が割れたかなんかして、ピストン戻らなくなってるので、多分そこを気合いで交換するか(もうそのピストン部品があるかどうかわからんが……)最低限一回外してパテ埋めとか試してみるか、あとはチューブは正常そうだから、ピストン機構だけ外注して外付けとかにするか、その辺スかねえ……とか話して、座面を上げなくてもなんとかできるように保管してるクッションとかを持ってきて、まあとりあえず解散する。帰宅したら20時。も〜! と思ってちょい仕事してゼルダして寝た。


 翌朝、土曜日。8:30に電話。何? というと、いつも壊れてる側の椅子も壊れてたという。いい加減にせいよ〜!! なんじゃそのシンクロニシティは。


 まあ、理由がわからんでもなくて、「久しぶり」に触ると、人間側が勘所忘れてて雑な操作をするなどして不調になる、「初めての人」が触ると勘所知らなくて変な操作になって不調になる。俺自身は5月出張に出ていて、そのあとは〆切対応で、1ヶ月半は触ってなくて、そんで触るのは「初めて」ではないが経験不足の人だった。合わせ技一本で壊れるかあという気はする。また古い機械なんでね。。こういうことがあると、「そりゃ付喪神という発想も生まれますわなあ」と思う。


 まあだから新品って新しいから多少雑に扱っても壊れないし、新品だから誰も「コツ」を理解してないわけね。しかし、長年同じものを使ってると、まずモノ自体にガタがくる。しかし、ガタが来たとしても、「慣れてる」人が触ると上の逆で、ヤバいところには触れないように暗黙の知識が構成されてるので、そんなに故障が表面化しない。しかし、「慣れてない」人はその「ここ触ったらヤバい」がわからんので(「慣れてる」人も、「ヤバい」とは思ってないような場所を、何故か触ってしまう)しばしばその部分がフェイタルななんかを引き起こす。それから、エアコンって頻繁につけたり消したりすると逆に電気代かかるよ理論とかからも分かる通り、機械類って多分、「立ち上げ」のタイミングで一番負荷がかかるんですよね。で、一回よっこらしょっつって立ち上がると、まあ動き続けることは可能だと。というわけで、「久しぶり」に触るとなんか壊れると。


 これをこの背景理論を無視して現象だけ捉えると、「新品」の時は起こらない現象が「年経る」と生じる。長年そのものを使ってる古老が触ると正しく動くが、若者とかが触ってもうまく動かない。しばらくほっとくと機嫌を損ねたかのように動かなくなる。これはなんかツンデレの精がいる!! と思うの、必然と言えよう。


 というわけで、起きて取るものもとりあえず出かけて飲み食いもせずに椅子直して(こっちは応急処置だが、慣れてるだけあって上下動は可能にした)、ついでにちょっと雑な操作すんなよって確認して帰ってきた。


 2023年06月10日 14時06分の測定結果

 体重:103.50kg 体脂肪率:33.20% 筋肉量:65.60kg 体内年齢:50歳


 激痩せ!! そうかあ。飲まず食わずで働けば良いのか。そんなん分かっててもできるかあッ! このあとは普通に食事したんで、明日(今日)はもうダメだと思いますが、せめてもご褒美があって良かったです。ありがとう椅子の付喪神……。このようにして信仰が生まれるのだなと思いました。それではまた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る