アフターコロナの子供たち

「ねえねえ。『回転』寿司って言うけど、何が『回転』しているの?」


 前も言ったと思うが、なぜ中年男性は蕎麦を打ったり燻製を始めたりするのかというと、これにはとても明快な理由があって、料理というのはやればやっただけ分かりやすく成長するからである。エリクソンのことを別に信仰しているわけではないから、この課題が正しいかどうかとかについては議論する気はないが、エリクソンによる中年期の課題、すなわち「世代性・生殖性対停滞・自己陶酔」というやつは、まあ実は全部同じことを言っているのだと思う。


 つまり、「人間は中年になると成長しなくなる」「成長すると楽しい」のこの2つの組み合わせで説明がつく。世代性とか生殖性というのは、ようするに自分が成長しないから、なんらかに成長を仮託して、それが成長したら嬉しいねって話なんだろうと思う。まあ、子供であることが多いんだろうけど、別に相手は何だって良い。しかしながら、成長させる相手がいない場合は、成長しなくなるので停滞する。あるいは、自分で成長できるところをほじくりだすが、それはやっぱあまりパブリックなものではないので「自己陶酔」という扱いになってしまう。


 合ってるかどうかは知らないが、まあだからそのくらい昔から言われていることなわけだ。中年は成長しない。ハウエヴァ、そんな中年が、比較的パブリックに成長を喜べることがあって、それがだから料理なんだよな。すげー分かる~。


 というわけで、去年いくらの漬け方を学習したので、今年も早速漬けたが、やっぱ漬け方がうまくなっている。プロテインお好み焼きの影響でボウルも完備したので、よりよくできるようになった。もうだから食中毒を起こさず、皮をちゃんと取り切って、かつ皮を柔らかく仕上げるところまではだいぶラクラクにできるようになった。


 そうなってくると今度は味を上げたくなるんだよな。人間のサガとして。それで、まあいくら丼を食いに行けば何をどうしたらいいか分かるかなと思うが、いくら丼食っちゃうとなんかすごい本末転倒感がある。しかして佐藤水産(いくらを売っている店)は、もうこれもコロナの影響で「試食」っていうのが無くなってしまったんですね。で、瓶を買ってしまうとこれもなんか本末転倒じゃん。ふるさと納税の枠も大体使い切った。どーすっかなあ、と思って、あっそうだ、回転寿司に行こうと思ったんですね。で行ったらさあ、もう寿司が回ってねえの。そのー、スシローとかじゃあない、「ちょっといい」回転寿司屋も。言っとくが、くら寿司は北海道にはないからな。


 まあなんか分かる。外気にさらされた寿司を媒介して本当に感染症が生じるかは知らんが、なんかな~って感じはする。ってことで普通に注文制になっている。タブレットで注文したら、静かに目の前に寿司が出される。それはもう、ただの「安価で、かつ注文の仕方が特殊な寿司屋」であって、「回転」寿司屋ではないのでは……と思ったのが冒頭のコメントです。


2020年09月01日 08時05分の測定結果

体重:101.40kg

体脂肪率:33.80%

筋肉量:63.60kg

体内年齢:49歳


 はい。ちょっと思ったのは、食う前に調味液を切るってのはどうかな。びしょびしょで食わない方がうまい気がしてきた。次の仕込みはそれができるようにやってみます。

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