思い出の場所

 僕は自分の目を疑った

 もうそこには何もなかった


 夕焼け空に照らされたその空き地には

 確かに思い出がつまっていたのに


 いつだろう?ここを利用していたのは

 学生時代よく立ち寄っていた気がするよ


 この道を使わなくなって2、3年

 そのたった2、3年の御無沙汰だったのに

 もうここに思い出の場所はない


 久しぶりに通ったのに

 ここに寄れると思って喜んでたのに


 切なくて詫びしくて空しくて

 でもそれは正真正銘の現実で


 繁盛してない訳じゃなかったはずだよ?

 僕が来なくなってから一体何があったの?


 いくつもの問いもただ虚空に消えてゆくだけで

 風がそこを当たり前に吹き抜けて行くばかり


 僕はいつの間にか出ていた夜空を見上げ

 しばらく流れ星を探していた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る