OPERATION β
「ジャスティン、こっちが今回チームをを組んでるバディのROXY DOLLよ。名前くらいは知ってるでしょ?」
あたしは早速、彼にROXYを紹介した。
「勿論さ。有能なハンターの名前ならきっちりインプットしてあるよ。ジャスティン・ブレイクです。どうぞよろしくお見知りおきを、ROXY。」
「よろしくねジャスティン。これが巧くいったなら、別の仕事でもご一緒したいわ。」
コレだもの。あたしがこんな事を言おうものならキーキー黒船みたいに蒸気を出して怒るクセに。無い物ねだりは、ROXYの悪い癖だ。でも、そんな今は悠長なことは言っていられない。早速、行動に移らなくっちゃね。
「さてとジャスティン、実は2時間前に上陸してからこの方、あたし達の事を陰からずっと監視してる輩がいるのよ。こいつを何とかしてとっ捕まえてやりたいんだけど、狡猾な奴でね、なかなか姿を見せなくてね。流石にこのまま目的地まで連れて行く訳には行かないし困ってるのよ。」
「オーケイ。じゃあオペレーションθ(シータ)で鼠野郎を燻り出してやろう。」
「あら、あたしはオペーレションε(イプシロン)かと思ったんだけど……。」
「ちょっとちょっと何なのよ、α(アルファ)だか、β(ベータ)だか知らないけど!?」
ROXYが異議を唱える。
「いいね、それでいこう!」
ジャスティンが手を叩く。
「え?」
ROXYが戸惑う。
「いいアイディアねROXY、βの方で行くわよ!」
あたしも彼に続いてROXYを褒めそやした。
「ま、まあ直感でそう思ったのよね。何となく。」
ROXYがシラを切る。
結局、作戦名なんて何だっていいのよね。あたしは、ジャスティンとはツーカーの仲で、互いのやることが大体判ってるから、彼に合わせただけ。ジャスティンは、こういう食えないトコがある男で、こうして人をからかってる様にみえて、実は初対面の相手の人間性や能力を図ってるの。まぁROXYは、こうして簡単に引っかかっちゃったけど、本来ならやる時はやる女だから、いずれこのふたりも分かち合って仲良くやってくれるでしょ。その辺りはあたしは特に心配していなかった。
さてさて、オペーレションβとやらの作戦を説明するわね。ここからは一旦、ROXY、そしてあたしとジャスティン組との二手に別れる。行動を別にすることで、尾行してる相手も分散させるの。そこで、また途中であたしとジャスティンふたりも分散するのね。こうなると、さすがに向こうも三分割までして、尾行を割ってはこないだろうから、尾行がついたとしても、あたしの方をマークしてくるハズ。そうして晴れて自由な身となったジャスティンは、相手には見えない離れたトコからあたしとその尾行者を監視するの。で、あたしはあたしでGPSを通じて、ROXYを追い、彼女とその尾行者を監視するってワケ。頭脳作戦で今度こそ隠れてる敵をバッチリ燻り出してやろうじゃないの!
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