LANDING POINT
「それじゃここからは時間を合わせるわよ。カウントするから18:00ジャストのゼロでアジャストさせて。いい?5 4 3 2 1 0・・・OK、レッツゴー!」
あたしとROXYは、上陸地点から移動する為、腰を上げた。
「ネェCANDY、ここで誰かと合流するんだっけ?」
ROXYが相変わらず呑気な質問をしてくる。
「あんた、ロールプレイングの時、ちゃんと人の話を聴いてたの?」
「だって夕べは見逃せない海外ドラマがあって、ろくに寝てないんだもの。」
「アメリカ人なんだから、国内ドラマでしょうに。」
それがシャーロック・ホームズやエルキュール・ポアロとかの英国ドラマとかなら別だけれど、正直今はそんな事はどうでもいい。
「そうかな?まぁそうとも言えるわね。で、どうなの?」
「合流の予定なんてないわ。潜入あるのみよ。」
「そうよね。おかしいな。」
ROXYが首を傾げた。
「おかしい?何が?」
彼女の様子がちょっと引っ掛かった。
「此処に着いてからずっと誰かに視られているみたいで。」
「何ですって?」
同様に居心地の悪さを感じていたあたしは思わずドキリとして、周囲を警戒しながら見廻した。
「やっぱり気のせいよね?悪かったわ、気にしないで。」
「待って・・・気のせいなんかじゃないかも。」
「エ?」
「漠然とだけど、あたしもその視線は感じてた。でも、あたしもあんたの手前気のせいだと思い込もうとしてた。」
あたしはあたしで感じていた違和感が確信に変わる。
「ってことは・・・」
「勘の鋭いあたし達ふたり共がそう思ったなら間違いないでしょうね。あたし達は誰かに監視されてる。」
野生的でマイペースなROXYだけど、彼女のトレジャー・ハンターとしての能力は、あたしも認めるところだ(無論あたし程ではないけれどもね)。
「本部を盗聴してたのと同じ奴らかしら?」
「どうかな。そこまではっきりと明確な敵意は感じないけれど、いずれにせよ油断は禁物ね。」
「Yes。じゃあまずはどうするの?」
「わたし達の採るべき選択肢は自ずと限られてくるわね。大事なミッションに取り掛かる前に、まずはそのストーカー野郎をあぶり出してやろうじゃないの。」
あたし達は頷き合うと、行動を開始した。
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