ONE SHOT, TWO KILLS
「会長、ポリスに通報された様です。」
今度はROXYが前方から来る警官ふたりをあざとく発見し報告する。
逆にあたしはちょっと焦る。
だって・・・あたしよくよく考えたら入管すら済ましてないじゃないのー!不正入国の上、拳銃乱射で逮捕に強制送還なんてことになったりしたら……やめてェうちの両親確実に卒倒しちゃうわ!!
ディンドン…緊張と不安で早鐘みたいに心臓の鼓動が鳴り打ち始める。
そんなあたしのパニック具合を見て取ったのか、会長が口角を上げて愉快そうに微笑む。
「心配無用だCANDY。この程度の騒動を揉み消せる金なら、常に地元警察には払ってある。」
その仰せの通り、駆けつけた警官たちは相手が著名な会長の連れと判るや否や、二、三言簡単な注意だけ促すと直ぐに退散してしまった。
これには吃驚、WTHAも意外とメジャーな団体だったのね。
フーッ危なかった。文字通り命拾いした感じだわ。
「会長、よくよく考えたらパスポートも荷物も全部置いたまま、あたしは飛行機から飛び降りちゃったんですけど・・・」
「安心したまえ。既に滞在ビザも手配し、パスポートもこっちで取り寄せてある。」
会長があたしの話の先を読んで話を続ける。
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