ON THE BEACH

ビーチに上がったところで、ROXYが声を掛けてきた。

「CANDY、あんたは中東にいるって聴いていたんだけど?」


彼女の情報網もなかなか大したものね。

「ええ。あの仕事ならもう片付けたわ。今日はトリプルビルに呼ばれて来たの。」


「あら、あんたも?」

意外な返事がROXYから返ってきた。


「も?ってことは、あなたもなの?ROXY?」


「そうよ。会長が内密にあたしだけを信用して話したいことがあるからって。」


“トリプルビルめ、あの八方美人野郎!”


「はーんそういうこと。まったく喰えない親父だわ。」


その言葉にROXYも、直ぐに飲み込めたらしい。

「あたし達ふたりを天秤にかけよう、って腹積もりなのね。」

憤慨して中指を立てる。

野卑なアメリカ人らしいリアクションね。


「それは違うぞお嬢さん達。」

突然、あたし達の背後で野太い声がした。





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