FREEFALL
おっと話が脱線しちゃったわね。
目と鼻の先に着水したROXY DOLLがジタバタ外しているパラグライダーがエアマットの役目を果たしてくれそうで、これからの遠泳にちょうどよさそうじゃないの。
溺れる者は藁をも掴むっていうし、ここはひとつROXYをおだてて協力させるとしようっと♪
「ちょっとCANDY HEART、なに勝手にあたしのパラグライダーにしがみついているのよ!」
ほおらね、あたしのライバルとやらは案外度量が狭い。
「手間取ってるから外すのを手伝ってあげてるんじゃないの。どうやら向かう先は一緒みたいだし、2人で泳いだ方が楽だしお互いに助かるでしょ?」
彼女は数百メートル先の陸地を仰ぎ見た。
『確かにそうね( ̄~ ̄)』打算的なROXYの頭の中の声が聞こえてくる。
「まぁ困った時はお互い様だし、今回は協力してあげてもいいわ。」
相変わらず上から目線の鼻持ちならない言い草が癪(しゃく)にさわるけど、なんとかとハサミは使い様よね。
「じゃ、ここは手を組むわよ。」
大人なあたしはスッと右手を差し伸べた。
「気は進まないけど、仕方ないわね。」
なんとROXYの奴めプイと無視してくれたわ。ねぇどう思うこの態度?
あたしだって伊達にワイルドを売りにしてる訳じゃない!
CANDEY HEARTを舐めるんじゃないわよッー!とクソ生意気なヤンキー娘に掴みかかる!・・・のを内心にグッと堪えて、作り笑顔を浮かべたままエアマットに掴まって泳ぐのに専念した。
だってさ、ライフジャケット一丁で泳ぐことを考えたら、背に腹はかえられないじゃない?
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