FREEFALL

Σこの癇(かん)にさわる騒々しい声はまさか?!

ハッとして振りむくと、案の定、その嫌な予感は的中した。

あたしに続いて、パラグライダーを操りながら派手なトロピカル・ブルーのビキニ姿の女が舞い降りて来る。


やっぱりROXY DOLLの奴だわ。

なんでコイツがここにいる訳?


ROXY DOLLはアメリカのトレジャー・ハンターで、ルーキーを代表する小癪で生意気なヤンキー・ガール。

え?あたし?あたしは世界を股にして駆け回るワールドワイドな代表に決まってるじゃないの。


あたしは別に何とも思っちゃいないんだけど、向こうは変にライバル意識を持ってくれちゃってるもんだから、どうにも面倒くさくって。何処にでもひとりはいるでしょ?そういう輩は。


どうやらあたしがハリウッドシネマの代表的なアクション・ヒーローの2代目を襲名披露し、ルーキーの割にメジャー感を漂わせてるものだから、煙たがって何かにつけて目の敵にしてくるの。

そうなると周りは周りで面白がっちゃって、事ある毎にみんなにライバル扱いされるのよねー。ね、とっても面倒くさいでしょ?

その面倒くさい枢軸なる相手が、頭上から足をバタつかせてわめきながら落下してきたのだ。

あたしの最悪な気分を察していただけるかしら?



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る