2 ポケモンを酷使する人たち

「よく戦ってくれた!ピカチュウ、ゆっくり休んでくれ!」


そう、ポケモンのアニメを見ていると、ポケモンマイスターたち…

いやポケモンマスターか。とにかくその人たちがやたらポケモンをいたわっている姿が目につくのである。


ゲームボーイの初代ポケモンを途中までやったぐらいであまり詳しくないので、彼らが何のために戦っているのかよくわからないが、とにかく何らかの目的のために、草むらやら池やらでとっつかまえてきた生き物たちを自分に隷属させ、好き勝手な(そしてけっこうハードな)命令をくだし、敵やライバルと血みどろの戦いをさせたり、危険地帯につっこませたりしている…。


自分の手を汚さず、ポケモンたちによる代理戦争で勝った負けたを決めようとしている。

子供たちが主要な視聴者層であるコンテンツで、受け手にそのように感じさせてしまう…これは教育的な配慮上、あまりよろしくない。

そこで、ポケモンバトルでズタボロになって帰って来たポケモンには、毎回十分なねぎらいの言葉をかけるようにしよう!これは妥当な配慮であると思う。


ただおのれの欲望を達成するためだけにポケモンを利用しているわけではない。協力してくれるポケモンたちには友情と感謝の気持ちをつねに持っている。

ポケモンマスターたちがそういう態度であれば、「自分は痛い思いもせずに、こいつらなんかずるくね?」的な印象をやわらげることができるだろう。


たしか風来のシレンで「痛み分けの杖」というアイテムがあった気がするが、そんな感じで使役するポケモンがダメージを受けると、マスターも同じ痛みを感じる、というようなルールがあれば、なおよいのではないかという気がする。

炎で焼かれたり破壊光線の直撃をくらったりしたときの苦痛を想像したら、ビクッとなってそうそう無茶な命令は出せなくなるんじゃないか。

派手なバトルシーンが減って絵的にはさびしくなるかもしれないけどね。


コンピュータRPGでよく出てくる召喚魔法にも、「忠実でしかも有能な手下たちが、つごうよく命令通りに仕事してくれる!」みたいな快感があると思う。

マジックポイントをいくらか消費する、みたいな支払うべきコストはいちおうあるけど、バトルで自分が直接傷つくリスクを減らすことができる。


召喚獣の世界ではちゃぶ台で昼ごはんを食べてたり、トイレでうんこ中だったのかもしれない召喚獣たちをいきなり別の世界に引っぱりだしてしまうんだから、おろしたパンツを上げるヒマもないとはまさにこのことだろう。


まあそうはいっても、強いポケモンとか爽快感のある召喚魔法は、こまかいことを考えず使ってしまうよね。アニメとかゲームとか、画面のなかではべつにいいじゃないか。

そして、現実世界の生きものはできるだけ大切にしていこう。


そんなことを思った一日でしたね。

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