第22話 風切さんのガン飛ばしは怖い
風切さんのガン飛ばしは怖い
高校に入って3か月そろそろ新しいクラスにも慣れ始めるころだった。
「やっぱり、大海さんだよなー」
「そうそう、ちょっと背は小さいけど、美人でスタイル良くってさー」
「わかるわかる、つい目で追っちゃうよなー」
「それで・・・・」
風切さんが、めっちゃこっちにガン飛ばしてきて、目を下向けるまで、あるあるだよな・・・
男子たちは縮こまって目を伏せる。
大海と風切はいつも二人で行動することが多かった。風切の守護する大海に近づくことができる男子などいるはずもなく・・・
新しい生活、新しい制服、何よりこの高校は、孝一君と一緒・・・
大海「・・・水上君、おはよう。」
孝一「・・・ああ、おはよ、大海」
孝一はあいさつするとそそくさと逃げるように離れていってしまった。
あれ?・・・なんだかよそよそしい気がする・・・
孝一(・・・・大海の後ろの奴、怖ぇ・・・なんでこっちをこんなに睨んでくるんだ?)
風切(・・・どうしてかよく思い出せないけど・・・あの男からすごく不快なオーラを感じる・・・)
大海「風切ちゃんそんな怖い顔してたら、せっかくの美人が台無しだよ。」
風切「・・・悪いね。ちょっと頭に引っかかることがあって・・・」
優しくていい子だな・・・
大海は初めてできた友人だ。悪いやつに騙されないように私が守らないと・・・
$$$
風切は不機嫌だった。
気が付くと大海は、ある男子の方ばかり見ているからだった。
数日後・・・
大海「・・・おはよう。」
孝一「・・・ああ、おはよ。」
大海(やっぱり、気のせいじゃなく、よそよそしい・・・)
孝一(・・・大海の後ろの女子、すごい殺気放っている・・・しかも、今日は刀持ってるし・・・柄に手をかけてるし・・・)
孝一「じゃあな・・・」
大海「待って、水上君・・・」
大海「・・・なんか・・・高校に入ってから距離が離れた気がしない?」
孝一「・・・そうかな?」
大海「・・・昔は・・・優しく抱き寄せて、耳元でささやきあうくらい?仲が良かったのに」
孝一「そんなこと一度もなかっただろ」
孝一(・・・後ろの人がもう刀を20cmくらい抜いてるけど・・・臨戦態勢なんだけど)
思い出してきた・・・私はこいつと戦ったことがある・・・
風切は孝一と大海さんの間に刀を振り下ろした。地面に薄く傷ができる。
大海「・・・風切ちゃん?」
風切「私と・・・もう一度勝負しろ・・・『水上孝一』」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます