なろうコンの結果からWeb小説を考える

 こんにちは。


 つい先日、なろうコン(第6回ネット小説大賞)の一次審査の結果が発表されました。


 Twitterにも何人か審査を通ったという報告をしている人がいました。


 てっきり異世界転生ばっかりかと思いきや、案外異世界ものじゃないものも多いですね。

 

 これはなろうが異世界もの以外も取るよ、という意思表示の現れなのか!? それとも私の周りに異世界を書かない人が多いからそうなってしまうのか?


 ......と、まあその辺は私には分かりませんが、今回のなろうコンにはカクヨムコンと時期がかぶっていたため出してない私も、この知らせに他にも誰か通ってるんじゃないかと覗いてみました。


http://www.cg-con.com/novel/6_novelcon/info/002.html


 するとやはり知ってる作者さんの作品がいくつか通ってました。


 ......で、そこまでは良いんですが、そこでふと目にしたのは、なろうコンの総評。


 その総評内容がなかなか興味深いものだったので、今回はこれについて取り上げてみようかと思います。


 その中でも特に面白いと思ったのがこの部分。↓↓↓




“ 選考を通して感じたのは、高い文章技術は保持しているものの、若干読者に伝わりにくい文章表現を使った作品が増加していることです。

 これはWeb小説作家の技巧が高まったことや、経験を積んだ作家が増えたことが大きいと考えます。

 一方でそれが読みやすいかといわれると、それはまた別の問題です。

 あまり効果のない表現に文字数を割いてしまったり、複雑な文章スキルを多用するあまり、かえって理解しづらくなってしまったりというようなことも増えている印象を受けました”




 これを読んで「なろう読者(おそらく低年齢層)に向けて文章力を落とせってことか!?」「文章が上手い人が増えてきたのは喜ばしいことじゃないのか!?」とTwitter上では困惑している人が何人かいました。


 私も最初は「ん?」と思ったのですが、要するにスマホやパソコンに適したスタイル、Webで読む読者を意識しろってことなのかもしれません。


 Web上で小説を読むとどうしても目が滑ります。適度に改行を入れたり、一文を短くするというだけでも読みやすさは変わってくるかと思います。


 それから難しい漢字やもってまわった回りくどい言い回し、装飾過多な文章よりも、すっと頭に入ってくるシンプルな文章の方がいいということかもしれません。


 Web小説は電車の中や学校や職場の休み時間などスキマ時間にささっと読む人が多いと思います。


 なので、できるだけ文はシンプルに、展開もサクサク進んだ方が好ましいということなのではないでしょうか。


 中には装飾過多な文章を「文章力がある」と評価する人もいるかと思いますが、例えば星新一の文章なんかほとんど装飾が無いですが、文章力が低いわけではないですよね?


 限られた字数の中でいかに表現するか、というのも文章力のうちの一つだと思います。


 



 また、こんなことも書いてありました。




“ 『キャラクターや世界観の設定のおもしろさ』については、エンターテイメント作品の刊行を目的とするコンテストである以上、避けては通れないテーマであると考えています。

 これは何もこれまで誰も考えたことがないような斬新な設定を盛り込まなくてはならないわけではありません。

 もちろんそのような作品も大歓迎ですが、なじみのある設定であっても、選考者が手に取って、おもしろく感じる設定かどうかを重視しました。

 そして興味を持たせるタイミングは、早いにこしたことはないでしょう。作品も半ばを過ぎてようやく面白くなるのでは、実際に書店で作品を手に取ろうとしている読者には届きにくいように思います。

 書籍化を前提としたコンテストである以上、やはり作品の魅力をできるだけ早い段階で読者に伝えることが、重要です。”





 『キャラクターの面白さ』『作品の面白さをなるべく早い段階で伝えること』をなろうコンの審査では重視しているということですね。



 書籍の場合は、起承転結に沿って書かれていることも多く、最初はスロースタートでもラストが面白ければ良いということもあるでしょう。


 しかし、Web小説の場合、1話でつまらなければ切ってしまう読者も多いので、いかに最初から読者を引きつけるかというのも大事になるんでしょうね。


 なろうコンについて分析したとあるブログでも、通過作を読んでみたところほとんどが三話以内に盛り上がるシーンや見どころがある、と書いてありました。


 序盤でいかに惹き付けるかというのはやはり重要なことなのでしょうね。


 それから注目すべきなのは10ポイントとか20ポイントとかポイントの低い作品も通過しているということです。


 読者選考ではなく、ちゃんと全部読んでくれて、総評も細かいのは嬉しいですよね。この辺り、カクヨムコンも見習って欲しいです。


 もちろんカクヨムコンにはカクヨムコンで、いい所がありますけどね。

 ジャンルごとに賞があるので例えば異世界ものとホラーが競うということもないですし、KADOKAWAという王手のちゃんとした企業から本が出るというのも大きいですからね。


 サイトによってウケる作品のカラーも違うのでどちらの賞が良いかはその作品によるのかもしれませんね。


 私も試しに来年あたり何か出してみようかなー、なんて思ったり。(エッセイのネタにもなるし)


 

 と、いうわけで今回はこの辺で!

 それではまた!



※追記


タイトルを「カクヨム3年生」に変えました!

もはやタイトルと内容が釣り合わなくなってきていたので......いい釣りタイトルではあったのですが。

来年になったら「カクヨム4年生」に変えます。よろしくお願いします~!

 

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