十の難業だった筈なのに……
ヘラクレスは罪滅ぼしとして、とある王から十の難業を受けます。はい、最初は十二じゃないんです。
なぜ難業の数が二つ増えたかというと、単にイチャモンをつけられたからでして。
無効とされたのが、無数の頭を持つ大蛇・ヒュドラ退治。そして三十年間ほったらかしにされていた家畜小屋の掃除、この二つです。
ヒュドラ退治では、従者の協力を得たために。家畜小屋では報酬を要求したために、ノーカウントとなりました。
で、合計十二となった難業は以下の通り。
1、刃物や矢を通さない鋼鉄の獅子の退治
2、上述のヒュドラ退治
3、狩猟の女神でも捕えられない鹿を、傷付けずに捕獲
4、人食いの猪を捕獲(これで問題となったのはその後。実は師匠を……)
5、上述した家畜小屋の掃除
6、軍神のペットである快鳥の討伐
7、海神ポセイドンが生み出した牡牛の捕獲
8、人食い馬のこれまた捕獲
9、女王が持つ腰常の入手(女王がヘラクレスに一目惚れし、難なく条件は達成されたが、ヘラが……)
10、常人では行き着くことが出来ない海の彼方にある島で、怪人と魔獣が守っている牛を入手
11、世界の果てにあり、竜が守る黄金のリンゴを入手
12、冥界の番犬、ケルベロスを傷付けず地上へ持ち帰る
――とまあ、いろいろと大変なことをさせられました。
四つ目と九つ目の難業で何があったか、詳細は次の回で書きます。
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