第3話

…あるところにメスが居た。…そのメスは,恋に墜ちて,オスを泣かした。

… よくある風景だ。

だがしかし,オスのほうはそうではなかった。

特別で,純愛で… 片時も離れたくない程,そのメスを想っていた。


『まぁ,次があるし』

メスの心がそう思ったのは,どこかのだれかがそう言った事があったから。

なんの根拠もないその言葉と心に,今は流されて居たい…

…それが人を傷付けるのなら,その言葉が悪い。…自分は悪くない。【乗っただけだ…】

そうして流す日々を無視して行く内に,『自分自らもそう言うようになって行く』。

…これが悪いことだとは思わなかった。…いつもの通例。…この世の歯車…



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