放課後の宮殿。LV.2
第11話
「一番初めに読んだのとほぼ同じ題名ですけど同じないようなんですか?」
「先ほどの作品に出て来た『
美梨さんの下がりきっていた口角がまた徐々に上がってきた。
「待って。二章と同じでツッコミとかなしに一人の読者としてまじめに読みます。いや、読ましてください」
ん? てことは今まで適当に読んでたってことなのかなぁ?
「まぁ、読んでみて下さい」
てか、ツッコミをしないってこの小説的には仕事放棄ですよね?
《リアルと妄想》
【放課後の宮殿。ⅬⅤ.2】
作者:水瀬 優
〖プロローグ〗
「みなさん。避けてくださーい」
この声が聞こえてきたときにはもう相手の攻撃は数名メートルの所まで来ていた。
「ハルくん大丈夫?」
「このくらい平気さ」
「
私たちは今赤い石にやつを封印するために必死に戦っている。建物はほとんどが崩壊しこの街も
私たち二人の勇者と一人の魔法少女は力を合わせここまでやつらを倒してきたのだがここまでなのか。そんなネガティブな考えが頭によぎる中でも必死に戦う。
私の得意技は魔法だ。
大きな手裏剣だって作れる。
その手裏剣でやつ首元めがけて投げたが力の使い過ぎなのかやつの首元・・・・・いや、やつに届かなかった。
私たちの体力は消耗していく一方だ。
しかしやつはまだまだ余裕そうな顔をしている。
余裕な顔で俺たちに火の球を手から放った。
今の私たちでは避けることもできない。
そんな状況の中ある少女は立ち上がり自分の武器を相手めがけて投げた。
少女の投げた武器は命中した。
しかし、やつの投げた火の玉もまた少女に命中してしまった。
「サクちゃーん」
その後少女は目を覚ますことはなかった。
私たちがこう戦うようになったのはつい最近のことだった。
あの出来事さえなければサクちゃんは・・・・・・そしてこの街も。
《放課後の宮殿。ⅬⅤ.2》
私の名前は
小学六年生でいっぱい友達がいるの。
そのおかげで毎日学校が楽しい。
特に仲のいい友達は二人いる。
私と違って髪は金髪で長い。
後ろ髪は縦ロールで前髪は可愛いウサギちゃんのピン留を付けている。
顔立ちもスタイルも抜群で校内ではファンクラブが出来ているくらいだ。
私も憧れの存在だ。
それに比べて私は黒髪ショートカットでいつも左耳の近くで短い髪をかき集めて結んでいる。顔立ちだって全然可愛く無いし・・・・・・。
何て言ったら周りの女子に怒られた。
なぜだろう。
私の唯一の自慢はパッチリとした二重の
元気のいいそこらに居そうな小学男子と何も変わらない普通な男の子。
そこらに居そうな小学男子と違うところは・・・・・女の子みたいな容姿くらい。
髪もサラサラで背も小さくてまるでお人形さんみたい。
そんなハルくんの事をサクちゃんも私も好きだったりする。
二人の仲ではフェアに行きましょうってことにはなっているけど正直小学生なので二人とも何もしていない。
いや何もできない。
サクちゃんは家の人との決まり事があるようで遅くまで遊べないし私だって習い事で音楽教室に通っているから遊べない日もある。
だからハルくんといる時間も限られる。
まあ今のままでも私は良いと思っているけども。
今日は二人ともフリーな日なのでハルくんをさそってどこかに放課後、遊びに行く予定を立てていた。
今クラスの中ではお城めぐりが流行っている。
去年の校外学習で県外のお城を見学しに行ったときに男子も女子もお城の虜になっていた。
そんなクラスではお城研究会などと言ったグループまでできている。
当然ながらクラス全員会員だ。
そのグループでは月に一度放課後に教室でお城について調べたことについて発表する。
私たちは三人グループの発表を一週間後に控えているため情報がほしい。
だから今日は遊びにお城に行く予定だったのだが・・・・・・
「ここお城じゃないよね?」
「うん。小春の言う通り違いよね」
「サクちゃんもそう思うよね」
だって私たちの前にはいかにも大金持ちが住んでいそうな宮殿があるんだもの。
お城じゃないから発表できないと思うけど興味は少しある。
みんなもそれは同じようだ。
「それじゃあ俺が一番な」
ハルくんは走って宮殿の中に入って行ってしまった。
私たちもハルくんを追いかけ走った。
発表が出来ないからほかの場所に行けばこんな事にならなくて済んだのに。
「ハルくん早いよ。ついて行けないよ」
二人は肩で息を吸いながらもついて行く。
「男なんだから早いのは当然さ」
いやいやハルくん。今の言葉は良くないと思うよ。
「男なら私たちに合わせてよ」
ハルくんから舌打ちをされたような気もしたが今はサクちゃんナイスだよ。
宮殿の中に入って五分くらいたっただろうか。
やっと真ん中から変まで来た。
ここまで来ると内装が綺麗だ。
天上には裸の人の絵が飾ってあったりする。
こんな
何て言いたいが最近のファーストフード店ではそういう絵が飾ってある店もあるから何とも言えない。
そんなこんなでこの宮殿の中を探索しているといかにも開けてはいけないと書いてありそうな大きな箱があった。
私たち三人はその箱の周りに集まると
「「「ここにいるのは小学生」」」
と言って開けてしまった。
すると中には図鑑のように大きな資料が三冊ほどあった。
その中の一冊を取り出し開けてみた。
すると私たちは本を開けた瞬間、本の中へと吸い込まれてしまった。
ここは多分何十・・・・・・何百年くらい前なのだろうか。
先ほどと違いとても綺麗になっている。
ひび割れていたガラスもない。
私たちはタイムスリップしてしまったのだろう。
私たち三人のとは違う足音がする。
人が来る。
誰もが思った。
とっさに近くの丸くて太い柱のそばに隠れた。
この会場が人で埋め尽くされそうになったときダンスパーティーが始まった。
人々は曲に合わせて踊っている。
本当なら私もハルくんと踊りたいが今は我慢だ。
小春が決心したその時だった。
ドカーン。
ドアを誰かが力任せに押したため倒れてしまった。
綺麗な宮殿ではあったがドアの周りは砂埃で見えなくなっていた。
誰がこんなことをしたのかとマシンガンのように飛び交う中笑い声が聞こえた。
「ハハハ。ただただ踊っているだけじゃつまらないだろう。だから俺はこんなものを持ってきてやったよ」
野太い声の持ち主の手には丸い水晶のようなものを持っている。
そしてそれを踊っていた人々は恐れている。
あの水晶は何なのか私たちはすごく気になった。
気になったら仕方がないのはハルくんの悪い癖だ。
私たちと一緒に隠れていたはずのハルくんが姿を消している。
しかし私たちはどこに行ったのか少しも心配しなかった。
なぜならこういう時のハルくんはすごいからだ。
興味を持つとそれについてとことん調べたくなってしまうらしく毎年自由研究では市で金賞を獲得している。
そんなハルくんの事だから計画なりなんやらは考えて行動しているはずだ。
私もサクちゃんも信じていたのだが・・・・・・
ハルくんはその水晶を野太い声の持ち主から奪った。
そこまでは良かったのかもしれないが奪った瞬間ハルくんは躓いた。
そのため水晶は割れてしまった。
踊っていた人々は終わったと嘆いている。
野太い声の持ち主も顔を真っ青にして膝から崩れ落ちていった。
野太い声の持ち主もここまでしようとは思っていなかったのだろう。
私たちもこの状況が理解できた。
水晶が割れそこから変なモンスターがいっぱい出て来た。
私たちは怖くて足が動かない。
ハルくんも怖くておびえている。
あるモンスターが私たちに気づきこっちに向かってきた。
私たちは恐怖のあまり声すらも出なかった。
そんな時だった。
いきなり私たちの体が時間切れを表すかのように消えていった。
そしてまた次の時間へと移り変わった。
この時間ではさっきのモンスターと勇者みたいなのが戦っている。
私たちに気づいたのか犬みたいのが近づいてくる。
しかし、その犬は私たちを通り過ぎてどこか遠くへ行ってしまった。
今後会うことがあるのだろうか。
そんなこんなで勇者の戦い方を見ていた私にあの犬が後ろから乗っかってきた。
「うわわわわわ」
不意打ちはやめてほしい。
でも行くぞと言われてもやめてほしい。
「わしゃあの勇者を育てているシルクだ。お主らがここにいるってことは・・・・・・そう言うことか。あの勇者もすごいわな」
私たち三人にはこの犬がなぜ納得したのか分かっていない。
いやまず話しすらまともに聞いていない。
だって私たちは小学生。
色々なことに興味を持つお年頃だから。
「なんじゃお主ら。そんなにしゃべる動物が珍しいのかの?」
「違うの。サクたちは何種なのか気になっているの」
三人とも犬がしゃべる所よりも犬の種類が気になっているようだ。
珍しいところを気になるのもすごい。
さすが小学生なのだろうか。
「まぁわしゃの事はどうでもいい。わしゃはこれからお主らに戦い方を教えるぞ。きちんと覚えるのじゃぞ」
私はどんな訓練があるのか少し楽しみにしていたのだが・・・・・シルクの口頭だけの説明だけであった。
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