【ひ】ひまわり

 『ひまわり』は夏の季語でもあるキク科の花です。

 この名前からゴッホの代表作を思い出す方も多いのではないでしょうか。クレヨンしんちゃんの妹も『ひまわり』でしたね。気象衛星や劇団の名前にもつけられています。数多くの歌のタイトルにもなっていて、本当に多くの人々に愛されている花です。


 この花は、青い空と白い雲に映える眩い黄色が素敵ですね。別名を『ニチリンソウ(日輪草)』というのも、まさに太陽を思わせる明るさからでしょうか。他にも『天蓋花てんがいばな』『迎陽花げいようか』『望日蓮ぼうじつれん』などの別名があるようです。


 原産地は北アメリカですが、花言葉の『私の目はあなただけを見つめる』『愛慕』などはギリシャ神話からきているそうです。太陽神アポロンに恋をした水の精クリュテイエの物語からだそうです。


 意外なところで『偽りの富』『にせ金貨』というのがあるんですが、これらは南米ペルーのスペインによる強奪という悲しい過去が由来なんだとか。

 『あこがれ』『光輝』『敬慕』『熱愛』など素敵な花言葉がある中で、そういう暗い一面もあるのですね。


 一般的には太陽に向かって咲く花という明るいイメージですが、私にはかえって物悲しく映るのは、やはり映画『ひまわり』のせいかもしれません。

 ソフィア・ローレン演じる夫婦が戦争によって道を分かつ物語です。その内容も切ないですが、『ティファニーで朝食を』のムーン・リバー、刑事コロンボのテーマ、ピンクパンサーのテーマで知られるヘンリー・マンシーニによる音楽がよけいに胸をしめつけます。


 ひまわりが太陽を追うのは若い頃だけらしいですね。なんだかね、そういうところも若さゆえの盲目的な恋を連想してしまって、かえって物悲しいのです。

 その目に映るのはどんなに無謀でも偽りでも過ちだとしても、唯一無二の存在なのでしょうから。


 それに、あの見事に咲いていた大輪の花が夏の終わりに萎びて項垂れる姿も、見ていて切ないものがあります。見事であればあるほど、その生命を燃やし尽くした姿に、胸を打たれるのです。


 ひまわりは6/25、7/6、7/9、7/20、8/1、8/2、8/5、8/7、8/14、8/15、8/17、8/22、8/31の誕生花だそうです。



 ひまわりの花言葉一覧:『私の目はあなただけを見つめる』『愛慕』『崇拝』『偽りの富』『あこがれ』『熱愛』『光輝』『にせ金貨』『敬慕』

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