【け】ケシ

 『ケシ』の別名はポピーといいます。

 ポピーはヒナゲシとも呼ぶそうですね。ややこしや。ケシの仲間には栽培が禁止されている種もありますが、可愛らしい姿をしています。古くは紀元前5000年頃から栽培されていたようです。


 アグネス・チャンの代表曲といえば『ひなげしの花』という歌がありましたね。ケシの花言葉『慰め』にふさわしい歌詞なのです。

 もっとも、花言葉には他にも『恋の予感』『いたわり』というものもありますから、歌詞の世界にも希望が見えますけれど。


 あだち充の漫画『虹色とうがらし』には芥子の坊という登場人物がいましたね。

 この漫画はSFと時代劇を融合させたもので、父親は同じだけれど全員腹違いの七人の異母兄弟のお話です。

 三男坊は少年時代をお寺で育ち、喧嘩と博打に非常に強く、女と酒には非常に弱いのですが、彼の名前に『芥子けし』がついているのです。というのも、この兄弟の名前がすべて、七味唐辛子の材料からとっているのですね。芥子の種子は食用になります。

 余談ですが、この作品はあだち充らしい間の取り方やお約束が世界観をとりまいているのですが、七人兄弟のキャラの立ち方がうまいです。それぞれに個性やカラーがあって、それを見通すと父親像が見えるという仕組み。うまいものです。


 ちなみに赤だと『慰め』『感謝』『喜び』という花言葉ですが、白だと『忘却』『眠り』に、そして黄色だと『富』『成功』となるそうです。やっぱり風水と同じで植物でも黄色は財運を連想させるのでしょうか。


 さて、私がケシで真っ先に思い出すのが、バウム著『オズの魔法使い』です。

 カンザスから竜巻で飛ばされたドロシーと犬のトトが、臆病なライオン、ブリキの木こり、かかしと共にオズの魔法使いに会うため旅をする物語です。映画も有名ですね。

 その道中、一行はあたり一面ケシで囲まれた地にさしかかる場面があります。ケシの花畑を進むうち、どんどん眠くなって動けなくなるドロシー、トト、そしてライオン。ところが、木こりとかかしは平気だったために危機を脱するのです。ケシの花言葉に『眠り』というものがあるのも納得ですね。

 美しい花には棘があるといいますけれど、ケシの場合はもっと空恐ろしいですな。


 ケシは1/23、2/29、2/23、3/19、3/24、3/25、7/1、7/3、8/1、8/3の誕生花だそうです。



 ケシの花言葉一覧:『眠り』『慰め』『恋の予感』『思いやり』『いたわり』『陽気で優しい』


 赤いケシの花言葉一覧:『慰め』『感謝』『喜び』


 白いケシの花言葉一覧:『忘却』『眠り』


 黄色いケシの花言葉一覧:『富』『成功』

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