【歌集】狐の嫁入り

かぐやうさぎ

久々に短歌

八月のカレンダー破る瞬間に初めて夏が終わるのでしょう


学校へ急ぐ七月蝉たちの「ようこそ夏へ」を無視して走る


錆びていく自転車の鍵「あの頃はこいつで海まで走ったもんさ」


独りだけ取り残された気になって進路希望書と踊らないペン


「好きなのよ。ムスタファ・ケマル・アタテュルク」トルコアイスと背伸びしながら


知り合いの名前を検索した末にここに辿り着き苦笑する君


誰一人「帰ろう」なんて言い出さず無意味な会話で夏の延長


「写真とは人生という一冊の本のしおりなのだよ」パシャリ。

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