おおみそか!
「今年も終わるな」
「そうだねえ」
「作者はいつになったら四神を更新するのか…」
「はは…まあー気長に待とうよ。どうせ話の流れは出来てるんだから」
「…そうだな」
そう微笑んで龍愛と白虎は月を見上げた。
室内からは騒がしい声が聞こえる。
「お前それ俺のだっての!」
「だって俺だってハーゲンダッツ食べたかったんだもん!朱雀くんばっかずるい~!」
「お前はそっちの雪見だいふくだよ!さっさとそれから離れろ!煮込むぞ!」
ぎゃあぎゃあと騒ぎながらよく分からない体勢になる二人を襖から覗き込む人影。
「お汁粉でき…って何やってんだ…」
「ウわッ、人気No.1の青龍…通称『夜伽』!」
「そういうこと言うな!」
「お汁粉出来ましたから、みなさんで食べましょう」
そんな青龍と襖の隙間から流れるような動作で現れた丙の手にはお汁粉がのせられた盆、
それを見た一同は目を輝かせてこたつに集まる。
全員がその温かなあんこに惹かれ、笑みをこぼす。
一人一人にお汁粉が行き渡ったその時、庭に肌を刺すような冷たい吹雪が吹き荒れた。
その中から颯爽と姿を現したのは朧…と叢雲。
一同の冷めた表情の中、朧は不敵な笑みを浮かべてみせた。
「我らも、混ぜてはくれぬか」
「いーや…朧はいいけどよ…なんで叢雲までいんだよ…てめえ現世では身動きとれない設定だろ」
「そんなの本編の設定だよ。僕だって年末年始くらい楽しく過ごしたいからね、そんなもの関係ないのさ」
「そんなのありかよ…」
呆れかえる朱雀の隣に朧はどかっと座り込む。
「フン、まあ良いではないか。我はガ〇使が観たいだけだ。余計な事はせん」
「は?朧、君はさっき紅白〇合戦で初出場のゴール〇ンボンバーを観ることを承諾したはずだよね?」
「ハッ…亡霊風情が我に指図するでない」
「クッソむかつく奴だな君は…」
「あのー…」
「「なんだ」」
口喧嘩を始めた二人に丙が恐る恐る口を挟む。
「僕たちドラ〇もんスペシャル観るんで…」
凍りつく二人をよそに
一同は微笑んだ。
(終)
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