堕天使

セラフは震えが収まらなかった。怖いからでも寒いからでもない。興奮が収まらなかったのだ。セラフは堕天使ルシファーの側近である。3大堕天使の1柱である。三大堕天使は、熾天使を纏めるセラフ、悪魔との交流等の外交を主に務めるアザゼル、軍事関連を主に務めるサタナキアの3柱のことである。堕天使と言っても、大きく分けて3つに別れる。一つはただの堕天使。二つ目は熾天使からの堕天使(セラフのようなもの)。3つめは悪魔になるものだ。

魔王のいない魔国という国がある。その国は、ベルゼブュート、アスタロトの2大悪魔(ルシファーに匹敵する)と、吸血鬼のタークア=ダ・レンの3柱が治める国だ。主に悪魔が住んでいる。悪魔界の出張所のようなものだ。天使は天界から追放されると、悪魔国に送還される。そこで自分が悪魔になるか、堕天使になるか、選ぶことが出来る。悪魔は、堕天した天使と、生まれた時からの悪魔がいる。堕天使、及び悪魔は悪魔界に住む事を拒否することができ、拒否すると魔国へ移住出来る。ルシファーは魔国の周囲にある、魔王レヴィアタン、魔王ゾロアスター、魔王ラーヴァナの領地を制圧し、当時セブンローズと呼ばれていた魔王の7柱の内の3柱を倒し、新魔王となった。そして新たな国、堕天使の国を作ったのだが。主に堕天使はそちらの方に移住することになった。セラフは、熾天使だった。天使の中でも上位種の、天使の進化系だった。が、追放されて堕天使と化した。元々実力は確かで、特に暗殺系能力に特化していた。今では三大堕天使にまで上り詰めた。そんなセラフが、最も嫌っているのが、炎帝四天王の奴等だった。4柱が連携すれば、三大堕天使でも歯が立たないからだ。そんな四天王達がなんと、3柱も倒されたのだ。これは衝撃的だった。久々の強い敵に興奮が止まらないセラフ。早速ルシファーに連絡を入れて、分身体を作り、分身体を動く鉄の塊へ、本体はサラマンドラを追うことにした。


連絡を受けたルシファー。いくら自分が強くても、油断はしない。早速アザゼルに頼み、魔国へと連絡をして貰った。炎帝グリフォンの誇る四天王は、これまでいくつもの国を潰してきた。なので、領土はどんどん大きくなり、今では魔界の中で、この堕天使の国の次に大きい国だ。注意せねばな。ルシファーは戦闘態勢を整えることにした。まだその未知の力を持つものが敵か味方か分からないからだ。


アスタロトはアザゼルから情報を受け取った。アスタロトとルシファーはとても仲が良い。2柱が協力すれば魔界の半分は消し飛ぶだろう。そんなアスタロトも、炎国四天王については少し警戒をしていた。そんな四天王が、今は1柱しかいないという。四天王は魔王と戦えるほど強いのに、それがわずか3、4日で3柱滅ぶという事は、魔王以上の実力がある誰かがいる。実はここ数十年、吸血鬼ダ・レンが魔国へと帰ってきていない。ダ・レンは不死身だから心配はしていないが、魔国の戦力が落ちてしまうのが問題だった。アスタロトはひとまず、ベルゼビュートのいる部屋へと向かう。


サバイバル7日目、、、

魔界は混乱に落ちった。

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