Ⅲ 第3の審判

chapter 10 dark side Ⅲ

「ねえ? キミの名前は何ていうのかな?」


「……」


「口が利けないわけじゃないよね?」


「……うん」


「そっか。良かった。お喋りはとっても楽しいからね。もう一度聞くね。キミの名前は何ていうの?」


「……ぃ」


「え? ごめん。聞こえなかった。もう一度聞いてもいいかな?」


「……れぃ」


「そっか。これからよろしくね、れい」


 二人は握手を交わした。

 これから先、繋いだその手が離れていくことをこのときの二人は知る由も無い。

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