chapter 6 第2の審判 -5
5 6月21日 担任教師
その日の朝、3年1組担任である静間が沈みきった表情で静寂な教室へとやって来た。
そして「東佐紀が昨日、自宅で死亡しているのが発見された」、という聞きたくもない報告をした。
その遺体は全身の皮を裂いて、裂いて、裂きまくり、剥がしたようにして、血だらけで発見されていたらしい。
勿論、これを生徒たちの前で告げることはなかったが、陽太と桜がしつこく詰め寄ったら、話してくれたことであった。
結果、自殺という方向で固まったようであるが、奇妙でおぞましい事件として記録に残ることにはなりそうである。
自らの担当するクラスから立て続けに死者が3人も出たことによって、さすがの静間自身も相当まいっているようだった。
もしかしたら、今まで3年1組に興味を持つことなど無かった静間が、このクラスの現在進行して起こっている異常事態に振り向いてくれるのではないか、と陽太は小さな期待を抱えた。
静間が陽太や桜たちと真剣に向き合ってくれるのはもう少し先の話である。
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