22.【紫陽花】


 仰ぎ見る空は色を変え


雲の形を変え


それでもずっと頭のうえにある


 多くのことが


めまぐるしく目の前を通り過ぎ



 傷つくことも


傷つけることも心に積み重なって


私の人生を満たしていく



 あなたとともに歩むのも


わるくはないなと


梅雨の始まりを告げる小雨を眺める



 すっかり白くなった髪に


年月の移り変わりを噛みしめて


まるで紫陽花のようだねと


わたしは小さく笑った




2016/05/27

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