残酷な王様

 わがままで残酷な王様の命令でたくさんの男の子や女の子が誘拐されてお城へ連れて行かれました。その中にはマリもいました。


 王様は命に関わるような危険なゲームを気まぐれでマリたちにやらせます。休憩時間にいっしょに遊んでいた子が途中で急に王様に呼ばれてパーティーの残酷な余興に使われることなどしょっちゅうです。


 あるとき王様が「みんなで食事をしたい」と言ってマリを含めた30人くらいの子たちを広い食堂へ連れて行きました。王様は皿の上の食べ物を指定して「〜をフォークで食べろ」など指示してみんなに食べさせました。しかし王様はだんだん退屈して苛つき、「この中で一番の美人の指を食べろ」と急にいつもの残酷な命令をしました。『つなみ』という名前の子が選ばれて指を切り落とされました。


 その後は奥の席の女の子に「お前の血でこのカーテンを赤く染めてみよ」という命令が下り、女の子は「無理です、無理です!」と叫んで嫌がりました。王様は「無理なことはあるまい」と言いナイフでその子を切り裂くと、勢い良く吹き出した血でカーテンが赤く染まりました。みんなはそれを見て叫ぶでもなく、頭を抱えて ああ、また始まった、とただただうんざりです。


 そんな中、脱走を試みた男の子がいましたが失敗して王様に捕まり、その子は身体の色んな部分を削がれて体重を元の3分の1にまで減らされるという罰を受けました。最期は王様の実験あそびで脳味噌だけになって生かされましたが、やがて飽きられて破棄されたそうです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る