EX ユータロー Side 002 <04/02(火)PM 09:00>


今回も ユータローさん視点 でのお話となります。



※あまり面白いお話では無いかと思います。

「不快な話はいいや」という方は、読み飛ばしていただいて問題無いと思います。


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 「………」クソみてぇな『冒険者ギルド』? を出てきたんだが、とにかく武器とか防具がいるか… 特にこのは、『大魔法使い』の俺にふさわしくない。

 肌触りとか最悪だし、雑巾ぞうきんで作った服の方がマシなレベル。


 え~と… あの『武器と盾みたいな看板』が、たぶん武器屋か? マジ不親切だな。



「よう兄ちゃん、新顔かい?ここは武器や防具を売ってる店だ」

 wwwwwうはwwwwwwま~た『同じおっさん』かよwww。 何考えてんだよwwwこのクソゲー! おかしすぎだろwwwwwwww

 美女じゃ無くても、とりあえず姉ちゃん置いとくだろJKwwwwwww


「まぁいい、とにかく かっこいい防具をよこせ」

 とりあえず この肌がチクチクする、クソダセェ服は無いわ


「かっこいい? 防御力が無くていいなら、ウチの裏の店で、色々な見た目の服なんかを売ってるぜ?」

 色々な見た目か…『大魔法使い』の俺に服もありそうだな。裏だな?



「兄ちゃん、はじめて見るね、ここは”見た目を変える衣服〔※1〕”の店だよ」

 wwwまた出たよww同じババァwww 製作者アホだろwwちょっと出てこいよwww

「お前は、何でおっさんと、ババァだらけにしたのか?」…と問いたい。問い詰めたい。小1時間ほど問い詰めたい。


 「………」しかしまぁ言うだけあって、割ととかあるじゃねぇか。

 へぇ、この服は銀色でテカテカ光ってて、なんか未来っぽいな。こういうのもあるのか…でも『大魔法使い』って感じじゃ無ぇな。これじゃ宇宙戦争とかやりそうだ。


 ん? おぉ!このローブ? は、黒地に赤色と金色の模様が入ってて神秘的だし、如何いかにも『大魔法使い』っぽいな、よしっ。


「これくれ」

「あいよ、6,800Gだよ」

「6,800G?」

「その腰の”袋”から 6,800G出して渡してくれるかい?」

 腰の袋? 「6,800G出す?」…うわ、なんか右手に『金貨みたいなの』が出てきた。


 「………」あ~! これで好きな装備を買いまくって、大暴れすりゃいいんだな?

 早く言えよwwwwww、もっとすげぇチート能力が良かったが……

これはこれで、だなw。


「ほらよ、これでいいのか?」

「毎度~」

 それでこれ「装備」とか、どうすんだ? …あ、服が一瞬で入れ替わった!?

そうか! 考えただけで勝手に出来るのか? 便利だな、クソゲーのくせにww。


 「………」あぁ! そうだな。『この能力』を使って、さっきの武器屋で、俺にふさわしい…『最高級の魔法の杖』も買っておくか。

 『英雄になる大魔法使い様』が、『素手』とかwww ありえねぇwwww



「よう兄ちゃん、毎度~」

「おぅおっさん、一番いい杖をくれ」


「一番いい? ウチで一番高い杖は この”黒檀こくたんの杖”だが…」

「一番高い? …ふ~ん、まぁ黒くて模様もカッコイイし、この大魔法使いの服にも合うな。 …じゃあ、それでいいや」

 まぁどうせ いくらでもチート能力で、金貨? が出せるんだしなwww

もっといい店があったら また買えばいいだけだしwwwwww


「”黒檀の杖”は、18,000Gだ」

「あぁ18,000Gだな?」

 よっしゃ、「18,000G出すっ」……? 「18,000G出ろっ」……?? 「18,000G出て来いっつってんだろっ!」 …はぁ~? なんで出ねぇんだよっっ! たった1回で故障かよっ!

この袋、まじゴミすぎんだろっ、クソバグゲーがっ!!11


「もういいからソレよこせよっ」

「あ、おいっコラッ」

 うははwwwwチョレーチョロイwwwwwな~んだwww全部勝手に持って行きゃ~いいんじゃんかよwwwwwさらばwwwクソ親父wwwwww



《窃盗 により善行悪行値がマイナスされました。貴方は”軽犯罪者”になりました。》

(※軽犯罪者 = 黄色ネーム、イエローネーム)


 はぁ? また目の前に文字と、頭の中で姉ちゃんの声が…『軽犯罪』って信号無視とか、こんな万引きとかぐらいか? こんなん大した事じゃ無ぇじゃんwwwうるせぇなwww


 「………」でもまぁ結構自由度が高いゲームだったんだな……

 ちょっと楽しくなってきたわwww あぁ、せっかく『黒檀の杖』ちょっぱって盗んで来たんだし、装備しとかねぇとなwwww、「装備」 …よっしゃwww。


 とにかく装備は、欲しいの全部パクりゃいいんだから――、

さっさと敵を倒しまくって『みならい魔法使い』から、『大魔法使い』にならねぇとな。

 つーか、魔法とか? どうすりゃいいんだ?

なんかこう「魔法一覧」とか…… おっ出た! やるなクソゲーwww。



《スキル一覧》

《魔法感知[マジックパーセプション][P]》

《まやかしの切れ味[フロードシャープ]》

《魔力の矢[マナアロー]》

《火球[ファイヤーボール]》

《氷のつぶて[ヘイルストーン]》

《踊るいかずち[ダンシングサンダー]》


 つーかじゃわからねぇよ! 魔法感知[マジックパーセプション]とやら? の「詳しい説明」とか… なんだ出るんじゃねぇか。


《魔法感知[マジックパーセプション][P] 半径30m範囲の魔法の存在を察知する。》


 はぁ~? 魔法の存在を察知? つーか『感知』とかいらねぇ~www。他のは…なんだよ、どれもゴミばっかじゃねぇかっ! どれも『対象1体』とか、『威力控えめ』とかwww

つ~か、戦闘中品質+1ってwwwショボすぎんだろっwww面倒くせぇっ


 マジでロクな魔法が無ぇな、このゲームの『魔法使い』はハズレかよっ……

!! ……もしかして、あの『みならい斥候』?ってのが、アタリだったのか?


 それならそう説明しろよっ! マジKOTYだわwww、いや……クソゲーオブザライフ、KOTLだなwwww、こんなクソゲー見た事無ぇわwwww



《踊るいかずち[ダンシングサンダー] 前方3m四方に複数のいかずちを降らせ、範囲内の複数の対象に雷属性のダメージを与える。》


 おっ? 最後のだけ複数か。『3m四方』…とかショボいけど、他のよりマシだな。

仕方無ぇ、これでいいか。はぁ……まぁこういう『ゴミみたいなスキル』を使いこなすのも、『英雄』ってヤツの証って言うしな…… まぁ俺ならやれるか。


 そうだな、『いかずちの大魔法使いユータロー様』ってところか? まぁまぁだなwwwどうにか救世主っぽいだろwwww。よっしゃ、それじゃ雑魚をまとめて ぶっ飛ばしてガンガンLV上げるか! ……あっちの門? みてぇのから外に出るのか?



 「………」このブーブーうるさい『スイカみたいなブタ』が、最初の敵なのか?

 普通、『スライム』とか、『ゴブリン』とか『オーク』とか、そういうんじゃ無ぇの?

マジでイミフ意味不明なんだがwwww


 まぁいいや… 『3m四方』だから一番多く集まってるとこに、派手にドカーンと ぶち込んで一気に片付けてやるかw。ん~、もっと集まってるとこ無ぇのかな。

 お? あの右の方に固まってんな。よしよし。



「くらえっ! 踊るいかずち[ダンシングサンダー]」

 …………ん? なんで出ねぇんだ?


「踊るいかずち[ダンシングサンダー]……」

 は? 「攻撃だ」っつってんだろ!

……あ、なんか視界の下の方に、【剣のマーク】? が出た! よしっ、



「今度こそくらえっ! …踊るいかずち[ダンシングサンダー]」


 ユータローの構えた『黒檀の杖』の先から、天に向かって光が延びていき…… すぐに激しい複数のいかずちが、前方の『シマブタ』LV2の群れに向かって降り注いだ。


ゴロゴロゴロ…… ビリビリッ、ドガーン! ビリッ、ドガーン! バリバリッ、ズガーン!


…前方の『シマブタ』達に、次々と天から降ってきた【いかずちの槍】が突き刺さる。


「ブギィィ」「フゴオォォ」「ピギィィィ」「ブウゥゥ」「ビギャァァ」……

 『シマブタ』達が一斉に悲鳴を上げ、吹き飛んでいく。


「うはははwww くたばれwwwブタどもwwwwwwww 俺TUEEEEwwwwwwアハハハハwwwww 死ねぇwwwww」

 上機嫌のユータローに対し、攻撃(FA〔※2〕)を受けた『シマブタ』達は、〈戦闘状態〉に切り替えて、憎しみヘイトを集中させていく。


 いかずちの衝撃で、そこかしこに吹き飛んでいた、『シマブタ』達が起き上がりはじめる。……そして起き上がった『シマブタ』から、次々とユータローに反撃をはじめた。


「うわっ! 来んなっクソブタっ! 逃げ…… は??? つーか動けねぇっ?

なんだコレっ!? クソゲーがっ!」

 強力な範囲魔法をかけた後の、長めの【スキル使用後の硬直状態】のままのユータローに、『シマブタ』達の容赦の無い攻撃が襲いかかる。


「フゴオォォォ」

「うわっ、いてぇぇええ」

 ……なんだコレ、マジで痛ぇっ!? ゲームだろぉ?


「ブギィィィ」

「クソッ、転がって来んなっ、イデェェ」

 痛っ、クソッ! なんで一斉に攻撃してくんだっ、順番守れよっ。こっちの……


「ピギャアァァ」

「アガァァァ…… イッテェェェ、クソブタがあぁぁ」

 があぁぁぁ、痛えぇぇぇ、っざっけんなあぁぁ


「プギイィィィ」

「ギャアァァ、イデェ…… やめ…」


「ブゴオオォォォ」

「…アガァ… クソ…ひきょ……」


「ブウゥゥゥ」

「…………ア…や……イ……」


「ブキイィィィ」

「…………………………………………………」



《貴方は死にました。デスペナルティにより 320Gを失いました。3,200G →2,880G》

(※デスペナルティ。軽犯罪者 = イエローネームは所持金の1/10を失う)


「があああっ、クソゲーがっ、何がデスペナルティだよ!

 ほんとに”死ぬ”ほど痛ぇし、っざっけんなよ。……あと、このパイプオルガン? みてぇな辛気臭しんきくせぇ曲やめろっ! 鬱陶うっとうしいっ」


 「………」あ~っうぜえぇぇ、マジうぜぇ~。とにかく復活したら真っ先に、あのクソブタども一匹残らず殺しつくしてやるっ! 覚えてやがれっ『いかずちの大魔法使いユータロー様』を、こんな目にあわせやがって――


「マジうぜえええぇぇ、なんだよっこの花畑っ、早く復活させろよっ! ムービースキップとか出来ねぇのかよっ! ほんとクソゲーだなっ、さっさと この変な映像やめろっ」




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LV:1 ユータロー (CV:神谷浩史)

軽犯罪者

職業:みならい魔法使い

所持金:2,880G

武器:黒檀の杖

防具:魔導士風の服



〔※1〕見た目を変える衣服

 TJOの世界では、防御力が無い、低い、見た目だけを変える服などもある。

裁縫職などは『オリジナル品』を作製し、自分のショップなどで売る事も可能である。

 これらは同じく防御力をあまり必要としない店長、店員などに需要が高く、また普通に街中で着るために何着も用意しておいて、帰還するたびに着替える、といったオシャレ志向のプレイヤーにも人気がある。

 ※一方で主人公の様に「安ければ良い」、「タダは素晴らしい」…などという、見た目などに『全く興味を示さない』プレイヤーもいる。


〔※2〕TJOにおいて、『最初の攻撃』を、『ファーストアタック』(略されて『FA』と呼ばれている)という。この最初の攻撃(FA)をしたプレイヤーは、そのモンスター(達)からのヘイト憎しみが一際高く、基本的に生半可な事では、他のプレイヤーにターゲット攻撃目標が移動する事はない。(一部に移り気なモンスター等も存在するので絶対ではない)



「ご主人さま?」

「あぁ、これもなんだ」

「これが たからばこ~?」


《名:ユータロー の遺産 所有者:なし 〈最期〉シマブタLV2と戦って敗れる》


「このも、見つけると「しあわせになる」からな」

「くろいのも いっぱいみつけて、いっぱい しあわせになる!」

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